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香港電影紹介第65回は、羅惠徳&黄明升 共同監督、サミー・ハン、ケイン・コスギ(小杉健)、サモ・ハン・キンポー、ユン・ワー共演の「燃えよ、マッハ拳!(蔡李佛 CHOY LEE FUT)」です。



《感想&あらすじ》


う~ん、観る前はもっとクラシカルな功夫映画で『イップマン』みたいな“蔡李佛拳物語”かと思ってたんだけど、めちゃくちゃ現代劇の青春スポ根路線だし内容自体もヌルくていまいち燃えなかった。
キャストが豪華なだけに残念な出来ばえだ。


ストーリーはというと、歴史を誇る「蔡李佛武館」を買収しようと企てる組織と陳天來(サモ・ハン・キンポー)&陳天虹(ユン・ワー)率いる「蔡李佛武館」が武館の存続を賭けて公式試合をするというもの。

イギリス留学中の陳英傑(サミー・ハン=サモの息子さんです!)と親友の武田少佐(=ケイン・コスギ、別に軍人役ではありません!)が故郷・中国に戻ってくるも武館の買収騒動に巻き込まれて、1ヶ月の修業を経て対抗試合に望むという展開。

シリアスな展開かとおもいきや敵対する武術顧問の女性と同じく敵対する企業の顧問である左長官との三角関係の恋愛模様を織り交ぜてあったりと、緊迫感・危機感が伝わってこないのがイマイチなんだよね。
ってか、こんな状況で女とイチャついてる場合じゃねえよ(苦笑)


一応、師匠であるユン・ワーから“蔡李佛拳”を修業してもらったり、他流派の師範と手合わせしたりはするんだけど、今風の軽いノリのBGM(ヒップホップ系)とCGが安っぽいPVを観ているような感覚を受けてしまう。
(他流派の“洪拳大師”を演じているのはラウ・カーウィン(劉家榮)だが、かなりお歳を召されてておじいちゃんみたいでした(笑))


で、本作品の唯一?の見所になってくるのが最後の公開試合シーンで、各代表選手3人ずつでの対抗戰となっているんですが、これがまた淡泊でねぇ(苦笑)。

まず、先鋒は「蔡李佛館」任四海(劉健強=劉家榮ラウ・カーウィンの息子さんです!)VS錢星(黄明升)


続いて次鋒戦は、「蔡李佛館」武田少佐(ケイン・コスギ)VS Xーmen(白人、ラン・パワーズ)


最後の大将戦は、「蔡李佛館」陳英傑(サミー・ハン)VS左長官(黄嘉樂)。

全試合ともこれといった見せ場のある闘いでないのが残念。
大将のサミー・ハンもなかなかいい動きを見せてはいるんだけど、どちらかというとケイン君の方がアクションに切れがあるのでこっちがメインだったらもっと盛り上がったのかも。
「フー・アム・アイ!?」の冒頭でジャッキーとちょこっと共演、「ローグ・アサシン」ではジェット・リーとちょこっと対戦の経験があるケイン君が、《香港映画》でがっつりアクションを披露してくれているという点では貴重な作品ではありますね。


他にも回想シーンで、サモ・ハンVSユン・ワー戦があったりするも期待する程の闘いではないし、“蔡李佛拳”の達人をデニス・トーが演じていて演武を披露してくれてはいますがカメオ出演のためかなり出演時間が短いのも残念だ。


全体的に何か物足りない印象の作品でしたけど、キャストも豪華だし、日本でもDVDスルーで発売されるかも知れないね。



※追記

2012年2月24日、『燃えよ、マッハ拳!』のタイトルで発売決定!


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