香港電影紹介第28回は、デイヴィッド・ライ監督、チン・ガーロウ、ラウ・カーリョン(リュー・チャーリァン)共演の「スコーピオン・ファイター」です。
<あらすじ>
父親と二人暮らしの気弱な学生の玉書(チン・ガーロウ)は、自分が無敵のヒーローになることを夢想して漫画ばかり書いているダメ青年。
そんな彼が悪徳役人に身売りされそうになった可憐な使用人娘のシュウメ(メイ・ロウ)を助けるが、そのことが原因で父親と一緒に袋叩きに遭うわ、学校を退学になるわの災難続き。。
自分のふがいなさを悔やむ玉書は、阿一師匠(ラウ・カーリョン)が経営する料理店の厨房で働きながら武術を体得すべく厳しい修業に臨むが・・・
本作はチン・ガーロウが主演という少し地味ではあるがアクロバティックな功夫アクションが楽しめる作品だ。
チン・ガーロウ主演というとウォン・フェイフォンを演じた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地激震」なんかもありますね。
チン・ガーロウは正義感はあるが気弱な青年役なのであまり強い役柄ではないのだが、厨房で料理を学ぶ過程が修業になっているのも面白く、また出会った功夫の達人の動きを漫画に書き、闘いの場面で参考にするのは「カンニング・モンキー 天中拳」のようでもあるんだよね~。
闘いの最中に独自に編み出したウナギ拳はちょっとどうなん?っていう感じだが。。(苦笑)
ラウ・カーリョンが師匠役を演じており、歳を感じさせない棒や三節[木昆]を使ったアクション、そしてラスボスであるウォン・ジン(「レディウェポンZERO」でも紹介した“韓国の蹴撃王”)との激しいバトルも見せてくれます。
なかでもウォン・ジンが駆使するサソリ拳(地面に両手をついた四つん這い状態で片脚だけ頭上に垂らした格好!)がかなりアクロバティックな動きで面白く、ワイヤーアクションはかなり多用ながらも変幻自在なキッキング・パフォーマンス(開脚蹴りや宙返り後のドロップキック等の大技!)を堪能できる見応えのある闘いになってます。
ちなみに、ウォン・ジンはチン・ガーロウ監督作品、岡村隆主演の「無問題2」でもサソリ拳をちらっと見せていますよ。
ユニバーサルからDVDで発売されたのが奇跡のような小粒な作品なのですが、出来はイイので見逃している方はチェックしてみて。