育児トーク(306)高校編


◎前回のお話



朝、家族と別れたばかりで

これが現実か？と言わんばかりの環境。


頑張ると決めた以上やるしかない。


スタッフさん達の説明をしっかり聞きみんなで1ヶ月間生活するコテージへ移動した。

やるからにはとことん。


せっかくもらったチャンス。

自分の頑張りを息子に見せるチャンス。


番組で用意してもらったTシャツを着て午後の初トレーニングに挑んだ。




番組を見てくださった方ならわかると思うが

初日から半端ない運動量だった。


１ヶ月８人で－100kg。


プレッシャーもかかる。


オーディションの段階では和気あいあいとしたスタッフさんとのやり取りだったが
現場はとてつもない運動量とスケジュールだった。


正直、息子が高校を卒業してから芸能の仕事が本格化したらいいなと思っていた私。


あまりにも早く来てしまった出来事に戸惑いもあった。



しかし、これは仕事でもあり
ダイエットと言う試練も付いている。

選ばれた時、何より嬉しかったのは息子のえがおだった。


早く来てしまったがこれが私のタイミング！

絶対一番痩せて息子に見せつけるぞ！

ちょっとはキレイなお母さんになるぞ！！


本気でこのダイエット企画に挑んだ。


途中ガチで喧嘩やら落ち込みやらいろいろなことが襲ってきた。


それでも真っ直ぐ、みんなと楽しく！


絶対絶対頑張るから…。





ある日、とても暑い日で

『汗たくさんかくから水分沢山飲んでね！』

と、スタッフさんに言われながらいつものように運動にとりかかった。


『頑張りすぎてない？』

一緒に頑張るメンバーに言われたが

『平気だよ！』

と、休むことなく運動をした。


思えば今まで仕事仕事でこんなに自由に動けることなんてなかったから、使えるだけの時間を使いたかった。



目の前でトレーナーさんが話をしていた。


瞼の上から滝のように汗が流れてきた。


『柏崎さん？』


だんだん自分の鼓動と呼吸の音が大きくなっていく。


私はそのまま床に座り込んだ。



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