◎前回のお話
『お母さん、頑張ってね』
そう言われ私は大荷物を抱え東京へ向かった。
駅までは母に送ってもらった。
『息子のことよろしくお願いします。』
『結構大丈夫よ!』
そう言われながらも、私が仕事で遅い時などハメを外す息子はそこそこ見てきたので不安ではあったが信じるしかない。
離れることも必要だ。
『じゃぁ行ってきます。』
『頑張ってきなさいよー!』
集合場所は日本テレビ前。
34歳で日本テレビ前に集合するとは…。
息子を抱っこして木原さんの後ろで手も振ったこともないのに…と考えたらちょっとおかしかった。
電車の中でこれから起こるであろういろんなことを考えると胸がドキドキした。
最初の仕事が1ヶ月拘束。
どんな人が来るんだろう。
主婦の私は馴染めるだろうか…
この歳で新しいことをするということは結構決心がいるものだと思った。
日本テレビ前に着くとロケバスとやらが停まっていた。
これがロケバス!!
息子!!コレが!!!
何をしても息子に言いたくて仕方ない。
バスに乗ると既に何人か乗っていた。
『よろしくお願いします。』
会話はその程度。特に弾むわけでもなくバスはどんどん進んで行く。
落ち着かず寝たフリをした。
『着きましたよ!』
外は緑がいっぱいの大きな施設。
何度かバスを停め直しやっと降りる場所が決まったようでドアが開いた。
『ここから真っ直ぐ、あそこを目指して歩いていってくださいね。』
説明はそれだけ。
『あ、はい。』
全員で8人。
知らない人達、会話が弾まないまま事は始まった。
ずんずん歩くと周りからカメラが追ってきた。
『あそこ』に人がいる。
進んで行くと人影が大きく鮮明に……
上地雄輔さんやん…
テレビの世界に来てしまった…
息子…息子…
初めての撮影初日。
私は不安の中にいた。
今までいつも一緒にいた息子のことをずっと思っていた。
私も息子が居ることによって安心していた。
その日の夜、ちょっとだけホームシックになっていた。
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だいぶ久しぶりに更新です。
育児自体は高校に行きだいぶ安定した時期(と、思い込んでた時期。笑)なので、私の芸能人駆け出しの事が多めですがこれから思うことなども書いていくのでお付き合いくださいませ。