◎前回のお話
断る事もできないけど、休むことも難しい…
こうなったら最後の砦…施設長に相談してみることにした。
『施設長…実は…』
1ヶ月ロケが決まり仕事を休まなければいけないこと、休める状況じゃないんじゃないか…
ダメ元で話してみた。
『えー!行きなよ!
そんなこと一生に何回もないよ?』
まさかの【行ってきな発言】だった。
『え!?でも大丈夫ですか?』
『ももさんが頑張ってるのに反対しないよ!
みんな協力してくれるよ。』
『あ…ありがとうございます!』
施設長は直接主任に直談判してくれた。
主任に『本当にすみません…』と言うと
『ももさんに抜けられちゃうのキツいけど…その分帰ってきたらしっかり働いてよ!』
と言ってくれた。
同じ部署のスタッフも
『ももちゃん!頑張ってきなよ!
仕事は大丈夫だから。安心して行っておいで!』
『ももちゃんテレビに出るんだって!みんなで見ようね!』
と、利用者さんと盛り上がってくれた。
家族にも職場のみんなにも承諾してもらい
私はマネージャーに改めてロケに参加出来る旨を話した。
ロケに行く前に自己紹介で使う部分の撮影もあった。
職場や自宅にもカメラが入った。
息子は撮影が入る日私よりもドキドキしていたようで家の中をウロウロしてみたり掃除してみたりソワソワしているようだった。
『こんにちはー!』
カメラマンの方が家に来ると息子は玄関に出た。
初めての撮影。
ずっと2人で頑張ってきて、こんな事になるなんて…離婚してどん底に落ちた私たちには全く想像できなかった現実だった。
『お母さん頑張るからね』
私の一つ一つハードルを越える姿を見せたい一心だった。
息子は小さい頃からいろんなことを我慢してきた。
他の子たちみたいに上手くできなくて遊びの仲間にいれてもらえなかったり
幼稚園でも出来ないことを指摘されたり
バカにされたり…
いつもいつも劣等感に苛まれていた。
違う。
自分は自分なんだ。
誰かに自分の限界を決められるなんてクソ喰らえなんだよ。
自分の限界は自分で見つけるんだよ。
やってやれないことなんかない!!
だから私が諦めたら…
息子は諦める人間になってしまう!
上手くできなくたって、失敗したって
誰かに笑われたって
自分が笑顔でいられたらそれだけで人生は素敵なんだよ。
私は自分の全てを使ってそれを教えたかった。
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