◎前回のお話


…て!!!前回どんだけ昔!?
なのでその前もぜひ振り返ってくださいませねー





『ロケ……1ヶ月!?……』


受かったはいいが…果たして1ヶ月も家を空けられるのか…

仕事は休めるのか…


私のリラックスタイムは瞬時に終了した。


しばらく薬師寺の下駄箱前で固まる私。


夢は叶った。でも…どうしよう…


『どうしたの?』

靴を先に履き終えたお母さんが私に声を掛けた。

『オーディション受かった…』

『あら!おめでとう!』

『でも…ロケ1ヶ月だって…休めると思う?』

『無理だろうね!』


お母さんもナースなので施設関係がどれだけ大変なのかは分かっている。

『でもさ、聞いてみるだけ聞いてみたら?
こんなチャンス滅多にないんだから。』

『息子はどうしよう…』

『応援するんじゃない?もう大きいんだしうちに来ればどうにかなる!』


お母さんはいつも私の背中を押してくれる人だった。

『そうだね…話してみるだけ話してみよう!』


鳴き龍のお守りを手に持って祈る気持ちでその場を後にした。


家に帰りオーディションが合格したことをお父さんと息子に報告した。

最初は芸能の仕事を反対していたお父さんは

『お前凄いな!』ととても喜んでくれた。

息子はキラキラと目を輝かせて

『お母さん凄いよ!テレビ出れるの!?』

と言った。

『わかんないよー??全部カットかもだしね?

その前に会社に言わないとね…』


まだ出れるなんて決まっていないのだ。

ちゃんと1ヶ月の休みが取れるか…。


いつかは仕事をしてみたい!と思ってはいたがまさかこんなに早く決まるなんて…

驚きと焦りと不安と期待が全て入り交じっていた。


次の日職場に出勤し主任にロケの相談をした。


『あの…主任…もし、私が1ヶ月お休みくださいって言ったらお休みいただけたりしますか?』

『無理だねー!さすがに1ヶ月はね…』


やっぱり…


『ですよねぇ?…』

私は困りながらも苦笑いをしてその場を去った。


現場も大変。

介護の現場はいつでも人が足りなくてギリギリでやっているのに、長期の休みを取るなんて言い出したってそういう答えだよな…と思った。

それもそうだし1ヶ月分の有給休暇はあるけど…お給料下がったりしたら息子の学費も危うくなる。


 とにかく全てが早すぎて自分の生活にうまく組み込めそうにも無くて本気で悩んでいた。


そんな私の背中を再び押してくれたのは施設長だったのだ。



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どすこい!ももち日和

全国の書店にて発売日


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本当に久しぶりです。
記憶を呼び戻しながらのポチポチ。

この時のお仕事が今の私に繋がっております。

また読んでいただけたらありがたいです。



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