◎前回のお話






指定された場所と時間は

私がこの世界に足を踏み入れなかったら一生行くことなんてなかったであろう『六本木』。


時間は20:00。


その日は勤務もあり仕事が終わってから急いで東京に向かった。


息子も『え?受かったの??』とビックリしていたが


『受かったって言っても完璧に決まったわけじゃないからね。』


と、言っていたので

息子のテンションも30%くらいの驚きようだった。


20:00。


六本木で指定された出口を出ると、1次オーディションで会ったスタッフさんが待っていた。


『柏崎さん、こっちー!』


私は挨拶をしてその後を着いて行った。



『まだ前の人が終わってないからここで待っててもらっていいですか?』


とジムの下にあるファストフード店を指差した。


私はお店の中に入り飲み物を頼んだ。


確か桃のシェイク。


あ、こんな時はお茶か?と思いながら飲んだ。



あっという間に飲み干して六本木の街の灯りを見ながら過ごした。


田舎者な私は都会のキラキラを見ているとどこを見ていいのか分からず、ソワソワしてしまう。


自宅の周りは東京の灯りと比べたら真っ暗。


でもそれに慣れているからその方が心が休まる。


ザワザワとしたいろんな音もドキドキする要因だった。



『はい、行きましょう!』


スタッフさんが迎えに来てくれた。


また後ろに着いてビルのエレベーターの前に行き

ドアが開くと太った男性が出てきた。


あ!この人もオーディションだったんだな…


と思ったがすぐに行ってしまい挨拶もできなかった。


ジムの入口には靴がたくさん置いてあった。


中には前回のオーディションの時に居たスタッフさんがまた居た。


ここでトレーナーさんと面談をした。

体調のこと、どれだけ動けるか、メンタルのこと…


いろいろな話をした。


最後に体重を計ると


『あれ?増えてる!』



スタッフさんが大笑いした。



『さっき桃のシェイク飲んだからですよ!きっと!!』


『あはは!ダイエット番組なのにお茶飲もうよ!』


『確かに!!!』



終始楽しく話し2次オーディションは終了した。


次の日も仕事。


オーディションが終わったのは22時頃だった。


電車に乗り地元に帰ってまた車に乗って自宅に帰ると日付は変わる。



やりたい事をやらせてもらっているわけだから仕事は休めない。


きちんと生活費と学費は確保しなければ。



眠かろうが寝不足だろうがどんなに帰りが遅くなっても朝は5時起き。



この後はどうなるんだろう…


不安もあり、期待もあり


真夜中に自宅のドアを開け小さい声で


『ただいまー』


と言ってから、かなりの確率でついている息子の部屋の電気を消してから自分の部屋へ行き眠りについた。



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