◎前回のお話
それから何ヶ月か友だちの話をして来た息子。
心配だったり、こうしなければ学校辞めなくて済むよね?と相談して来たり。
結果友だちはその後退学してしまった。
高校は義務教育とは違うことを話し、息子には最後まで頑張って通うべきだよと話した。
息子は私が息子を出産した歳にあと一年でなるのだ。
お母さんは出産することを選んだから辞めたけどそこからまた学校に行くというのは大変なことだからねと言った。
友だちにも何度かその事をメールで伝えてあげてねと話していた。
残念ではあるがとにかく学校の規則はきっちりしていた。
息子の担任の先生は新任の若い先生だったがとても熱心だった。
私よりも若い年齢の先生はなかなか当たらなかったし、それまでの若い先生は長いものには巻かれろ・朱も交われば赤くなる的な先生にしか出会えなかったがこの先生は違った。
それが分かったのはある日突然かかってきた電話での会話だった。
スマホに学校の電話番号が表示された。
珍しいな…と思いながら出ると
『もしもし、〇〇くんのお母様の携帯でよろしいでしょうか?』
『はい、いつもお世話になっております。』
と、明るく返した。
『あの…実は息子さんの事で…』
『え!?息子が何かやらかしましたか??』
急な電話でいろんな事を予測して焦った私は咄嗟にそう返すと
『違うんです!息子さんじゃなくて…
息子さんからは何も聞いてませんか?』
『え?なんですか?
楽しく学校に通ってるみたいで安心してました…』
『学校では何もありませんし、本当に頑張ってます。
お母さんに話してないようなのでこの事は内緒にしてもらいたいのですが…』
『…はい。』
『実はですね、息子さんラインで嫌がらせを受けているようなんですよ。』
『え!?』
高校に行ってから毎日笑顔が絶えず安心していた矢先の出来事で私はケータイを持ちながらアワアワしてしまった。
『え…いったい誰に?』
『中学の頃の同級生みたいなんです。』
『え?もう卒業してるのに?』
息子は【お母さんは絶対に心配するから】と先生に相談したようだった。
それを先生から聞き息子の優しさに心が熱くなった。
『私が息子と話をします』と言うと
『いえ、私に任せてくれませんか?』
と先生が言った。
『息子さんは高校に入って本当に頑張ってるんです。なのにその足を引っ張ろうとするのを許せません。私が話をして来ます。
だからお母さんは私が連絡したことも秘密にしておいてくれませんか?』
そう言ってくれた。
初めて息子を全力で守ろうとしてくれている先生に出会えた気がした。
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どすこい!!ももち日和
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