◎前回のお話




息子が受験とは言え私は交代制の仕事。

しかも社員なので日勤の日なんてほとんどなく、その頃はお昼から仕事に入って夜の21時30分までの勤務と夜勤が多かった。

これをしないと給料が格段に変わってくる。
手当がつかなければ手取りは20万以下。

生活費や学費や保険以外にローンもまだまだある最低20万は必要。

こんな状態なのでしっかりと勉強しているかみてあげられない。なので家に帰ると

『ちゃんと勉強したの!?』

と玄関のドアを開けたらすぐに大きな声で聞く。

『やってるよぉ』

と面倒くさそうに言う息子。

『自分で行くって決めたんでしょ?
こればっかりはお母さん変われないんだからちゃんとやんなさいよ!?』

毎日毎日顔を見るたびこの話。


どうしてあげることが息子の為になるんだろうか…。
相変わらず大きさの揃わないノートの文字を見る度に不安になった。


ある日仕事帰りに同級生のお母さんとばったり会った。

『ちゃんと勉強してるのかしてないのか分かんなくてさぁ。焦りはないのかなぁ?』

『うちも一緒だよ!勉強しないでゲームばっかり!』

どこも一緒かぁと苦笑いした。



そんなこんなしている間に私立の入試の日がやってきた。

『とにかくマークシートだ!分からなくても埋めておいで!』

五教科のテストは息子にとっては大変なものだろう…
受からなくたっていい。
いや、本当ならちゃんと滑り止めとして受かってほしい。


緊張した面持ちの息子は受験票を持って高校の校舎へと向かって行った。




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