◎前回のお話
夏休み前、見学に行きたい高校のアンケートが取られた。息子は2年生に行った私立の高校と、もう1つ県立の高校を選んだ。
どちらが良いのかは見てみなければわからない。
だいたいの子もほぼ県立高校を第一希望にしている。偏差値などのこともあるだろうが、『安いから』と言う理由ももちろんある。
我が家なんて一番にそこを考えなければいけない経済環境だ。
息子が通いやすい+最後まで通わせてあげられる学費。
その頃ニュースで取り上げられていた『貧困からの中退』。
その事がテレビでやっているとつい顔を向けてしまう。
3年間ちゃんと卒業まで通わせてあげるためお金はちゃんと継続して稼げるか…。
息子には言えなかったが不安だった。
介護福祉士になり正社員になり手取りはそれなりに安定したが、一般的な家庭よりは少ないだろうし、私立=お金持ちが行く学校と言うイメージが受験が近くなるにつれ強くなってきた。
息子が心から楽しい!と思える環境は私立だけじゃないかもしれない…
見学に行くまでにその高校に子どもを通わせているお母さんに話を聞いたりホームページを調べたりしてみた。
夏休みに入り見学の日になった。
息子と車に乗り高校まで向かう。家からその高校まで車で40~50分かかる。
途中、道が分からず町中をぐるぐる回りながらやっと学校に着いた。
学校に着くと先生と挨拶をし、息子と私は上履きに取り替え校舎に入った。
田舎の学校なので窓から綺麗な青い空が良く見える。今でもよく覚えている空の青と校庭の砂の色と校舎の白。
そんな風景が見える廊下を進み大きな教室に入る。
教室には既に何組もの親子が座っていた。
私たちは窓際の席に座り説明を待った。
時間になると先生の挨拶や学校や部活動の説明が始まった。
話をしている先生は息子が1年の時に良くしてくれた私の恩師に似ていてなんだか安心した。
この高校ではいろいろな資格が取れるようで就職にも有利とのことだった。
息子の夢は介護士だったが、勉強していくうちに選択肢が増えることは良いことだ。
県立もいいんじゃないかな?そう思えてきた。
見学が終わって改めて自宅で資料を見直した。
すると、通学用にバスが出るのだがその使用料が結構する。
その上、本人は部活がやりたいと話していたがバスを利用すると時間が合わずに入部出来なさそうだった。
これだと帰宅部になっちゃうかな?
それに通学費を考えると私立と変わらないかもしれない?
一度資料を封筒にしまい、私立の高校と比較してみることにした。