◎前回のお話




10月に入り仕事の内容が覚えきれていないまま養成所も始まった。


異動して一週間くらいの時期。

テーブルの上には特養用のノートとスケジュール帳が常に置いてある。

そして洗濯物もたまる。

部活が終わって帰ってきた息子の靴下から落ちた砂利を踏み、玄関先は靴の裏の泥でジャリジャリ。

10月2週目には早くも遅番が始まっていた私は息子を送り出した後で洗濯を回し玄関先の砂利を取り除き、何度言っても洗わない靴下の裏を石鹸で擦りながら出勤の用意をした。

洗濯物を干しても遅番をやって帰ってこれるのは夜の8時過ぎ。

テーブルに『洗濯物取り込んでね』とメモを書いて仕事に出る。


中学2年生は学校行事も多くいろいろとお金がかかる。ビックイベントとしては修学旅行もあるし宿泊学習や運動会では新しい運動着も必要になる。男の子という事でやたら穴もあけてくるし急激に伸びる身長で買い替え必須。

運動着一式を買うと1万円を優に超える。

このお金を捻出する為には仕事を増やさなければならなかった。

その他積み立てなどもある。
働けば働くほど支援金は減るが、確実に出ていくお金のことを考えると自力で働いて稼ごうと思った。

自分の働いたお金でなるべく家庭を回す。
だからこそ選んだ正社員の道。

給料日にはテーブルに封筒を並べ

家賃、光熱費、学費、保険、ローン、医療費、食費、交通費…

と分け、そこにお金を入れていく。


足りない所はボーナスを切り崩す。

これでここまでどうにかやってきた。


自転車操業とはまさにこのこと…。


でもいつか頑張ってたらいいことあるさ!


一喜一憂の毎日だったが、必死だったからこそ深く考えずに日々の生活を続けて行けた。