◎前回のお話




午後もテストは続く。

長い文章を頭の中で理解する集中力が切れそうになりながら問題を解く。

丸1日テストをして、私は時間いっぱいまでやらず途中で退出した。

午後の集中力はだいぶ下がったのかマークシートの欄が1つずれていた。

それを直したところで席を立った。

直したところでそれが間違っていたりしたら悔しい。

1通り見直して終わらせた。


退出後少し都内を散策しようかと思ったが、テスト疲れでそれどころではなかった。

すぐに電車に乗り自宅に向かった。


都内から我が家までは電車2時間、車移動40分。

往復5時間はかかる。


家に帰る頃には日も暮れる時間帯だった。


帰ると息子に『どうだった?』と聞かれる。


試験が終わるとすぐにネットで答えが出る。

それと照らし合わせて自己採点する。


私は合格点かな?くらいの正解数だった。


『ギリギリかなぁ…』

『大丈夫だよ!受かるよ!』

終わってしまったものは仕方ない。


あとは結果を待つのみ。


それから2週間。毎日をソワソワしながら過ごした。


介護士の仕事をして3年。


少しでも福祉の世界を知りたくて始めたこの仕事。

障がいや認知症を理解されずに苦しんでいる人を少しでも助けてあげることが出来ただろうか。

これからももっと多くの人を助けてあげられるだろうか。


資格を取って前に進みたい。



それから2週間後。


合格通知が届く前にネットで確認出来る。


私は受験票を持ってケアマネさんとパソコンを覗いた。


『私直視出来ないんで見てもらっていいですか!』

と受験票をケアマネさんに手渡すと笑いながら検索してくれた。


目をつぶった上に手で覆うと心臓の音が耳まで響く。



パソコンの操作音が止まる。


『どう?どう?』









『あったよ!合格!』


『やったぁーーーーーーーー!!!!!』


『次は実技だね。頑張っておいで!』

『はい!!』



その時の合格率は48%くらい。

二人に一人が合格する計算。


既に介護福祉士の資格を持っている先輩介護士さんに報告すると

『やったね!実技のビデオあげるから練習しな!』

と、応援してくれた。



帰宅するとすぐに息子にも報告した。


『お母さん凄い!!』


2人で笑顔になった。