◎前回のお話
5年生になり特別支援学級と普通級の通級と言う形をとった。
算数と国語を支援級で行い、他の教科は普通級で授業を受ける。
この時点で息子のやる気の無さが目立っているとK先生に言われた。
『出来ないと思ってしまうと机に伏せってしまうことがあります。』
と。
4年生までの間に授業についていけてないのはテストを見れば分かった。
正直、ちゃんと1年生の時点でしっかりと息子の学力に合わせた対応が出来ていたら…と悔やんだが時間は戻るわけがない。
K先生に任せるしかない…。
先生は息子が自信を無くしていることを察して一緒に頑張りながら褒めたり、時には叱ってくれた。
うまく書けない文字も先生と一緒に、まずはマスの中いっぱいに書く練習をしてくれた。
どうしても筆圧が弱く小さくなってしまう息子の文字。
先生は習字で大きく書くことを教えてくれる。
息子にあったペースで、たくさんの時間を使って。
息子の『出来た!』と言う満足感からか少しずつ笑顔が戻ってきた。
算数も計算は好きだが文章問題は苦手だ。
それも以前のようにみんなの中でポツンと頭を抱えて考えなくてよく、素直に『分かりません』と言える環境は息子を成長させた。
夏休み言語聴覚センターで知能テストを受けた。
『凄い!上がってますね!』
息子のIQは60~70の間をウロウロし続けていたが
初めて75を越えたのだ。
『凄い!凄いなぁー…』
あの時の喜びは今でも忘れない。
今まで息子はまるで英語が飛び交う教室の中で必死にわかる単語を探して自分で解釈していたような感覚だったのではないか…そう思った。
分かることの楽しさも感じることが出来ず、ついふてくされて伏せってしまっていたんじゃないか…
授業参観に行くと必ず私の方を振り返り不安な表情をするのを思い出した。
息子のIQのテスト結果はいろいろな項目に分かれており、それぞれの評価が折れ線グラフで書いてあった。
言葉の理解や空間の理解など
とにかくデコボコだ。
だから全てがわからない訳では無いし
飛び抜けているものもある。
出来なかったりバカにされれば落ち込む。
小さい時はその感情がまだあやふやだが、大きくなるにつれ理解してくると
二次障害として『うつ病』などになりかねない。
私は小さい時からそれを心配していた。
だからこそ早めの教育を希望していた。
息子が生まれて11年。
息子の知能は止まることなく成長してくれていた。