◎前回のお話



離婚届は呆気なく手元に届いた。


『なら最初から書けばいいじゃん…』


自分の理性のない行動からこんな結末になったのに…


口からため息が漏れた。


離婚届を持って市役所へ行く。


窓口で職員さんが記入漏れがないかチェックしてくれる。


あったらまた旦那に合わなければいけない…

せっかく前向きに生きていこうって決めたのにそれは避けたい。


職員さんの表情をつい観察してしまう。


『はい、こちら受理いたします。

お疲れ様でした。』



本当にお疲れ様だった。



紙切れ1枚で終わるならもっと早く終わらせれば良かったのかもしれない…

そう思った。



子どものこと、もちろん旦那のこと

いろんなことを気にして

常にお金のことを気にして

また旦那が出て行っちゃうんじゃないかって…


毎日が不安だった。


こんな不安、普通なのかな?


普通の家庭はこんなに不安定なのかな?


毎日毎日疑問に思って暮らしていた。



その暮らしがこんな紙切れ1枚で終わったのだ。


心がグンと軽くなった。


そして絶対に幸せになってやる!

そう心に誓った。


離婚届を出したら今度は家庭裁判所に行き

私の戸籍を新しく作らなければならなかった。


(この辺の記憶は曖昧なので、これからされる方は市役所の職員さんにしっかり聞いて行ってください。)


私の新しい戸籍を作らなければ、まだ息子は宙ぶらりんの状態。


私はこの時に旧姓に戻すか、今のままの名前で生きていくか決めなければならなかった。


本来なら旧姓に戻したかった。


画数も良かったし、何より旦那の影がごっそり消える。


でも文字を書くことが苦手な息子が頑張って書けるようになった苗字だ。


私は名前をそのまま残すことにした。


この時、旦那との養育費についての話もされた気がする。


今の状態では受け取れないだろうと思い


『たぶん無理です。』


と答えた。


養育費は最初は受け取れてもそのうち払わなくなってしまうケースが多いと説明された。

だからキチンと裁判で決めた方がいいと言われたが


離婚届すら書きに来れない男がちゃんと払うのか?


それでまたヤキモキさせられるくらいなら自分で稼ぐ!


そう決め、裁判はしないことにした。


私の新しい戸籍が出来るまで2週間。


もう少しで完璧なシングルマザーだ。


息子を私が必ず立派に育てる!


そんな気持ちだった。