◎前回のお話



息子が小学校に入り気が付けば秋。

秋の運動会は前日から準備。


朝早く起きてたくさんお弁当を作った。

私はつい多く作る癖があるのでキッチンはお弁当のおかずでいっぱいになる。


前の日も息子の新しい体操着に名札をつけるので寝るのが遅くなったりして、昔自分のお母さんもそうだったなぁと思い返した。


我が家の運動会は絶対に唐揚げだ。

これもお母さんから受け継いだもの。


ホントに美味しくて、子どもの頃
運動よりお絵かきが好きな私だったが


この唐揚げを食べれば元気になった。


一生懸命作っていると、いつもは絶対に起きてこない息子がそそくさと起きてくる。


『おはよー』

『おはよー、まだ早いよー』

『んー』

と言いながらテレビを付けた。


ドキドキしてるのかな?


と思いながら


お皿に唐揚げを乗せて渡した。


『味見してみな?』


『うん!』


『おいしい?』


『おいしいーぃ!』


『イェーーーイ!!』


と2人で喜んだ。


他にも玉子焼きを焼いたり飾りを作ったり

おにぎりを作ったり

果物を用意したり


あっという間に時間は過ぎる。


『お母さん時間までには行くから、早くご飯食べて着替えて歯ぁ磨いて学校行きなー!』

『はぁーい!』


と元気よく学校に行った。


この頃息子には近所に仲の良い同級生がいて、息子はその子のことが大好きだった。

息子にとって憧れだったんだと思う。



まるで私と親友の様だった。

私は自分のコンプレックスを笑いに変えて生きていた。

親友は美人で自分の意見をスパッと言うカッコイイ女の子だった。


彼女は私の中身を見てくれる子なのを感じて一緒に過ごすようになった。


多分息子もそうなんだろうなって二人を見て思った。


『あー!運動会!』


息子と両親と私じゃ絶対に食べきらない量のお弁当とレジャーシートや飲み物、カメラにビデオを1人で担いで


シングルマザー初の運動会へ向かった。