◎前回のお話





旦那と離婚することを決めてから


小学校の入学式まで


旦那はマメに我が家に来た。




息子の入学の為の買い物をする為だ。



息子は楽しそうに旦那と歩いていたが私は一緒に歩くと涙が出てしまって別行動した。


旦那がそれに気付くと息子を私のところによこした。



『お母さんが泣いてるから側にいてあげてだって。』



そう私の耳のそばで伝える。


『いいよ。お父さんと一緒にいな?お買い物しちゃうから。』



そう言って戻す。


私の心の中は複雑で


どうしても笑えなかった。



買い物が終わるとどこかへ帰っていく。



実家なのか…


女なのか…



私はもう知る理由さえない。



夜、息子の学用品に名前を書く。



上履き、ノート、筆箱、えんぴつ…



入学式用のスーツは2人分用意した。


ビデオカメラも…。



【入学式おいでよ。】



そうメールした。


息子には寂しい思いはさせたくなかった。




入学式当日、旦那が来てくれた。



『ちゃんと見てあげて。』



2人で保護者席に座る。


息子が入場してくるところを2人で見た。



息子は嬉しそうに笑う。



私たちはただ静かにその時間を大切に過ごした。



式が終わり集合写真を撮る。



旦那は写ることを拒否した。



全てが終わりもう特に会う理由もなくなった。



『じゃぁ…』



『うん。離婚届書いてね。』



『うん…』



息子と2人で家に戻った。



『お母さん…?』



『ごめんね…お母さん疲れちゃった…』



私は1人で寝室にこもった。







もう…全て終わった…


布団に埋もれた体が凄く重たくて


私は起き上がれなくなった。