◎前回のお話



B幼稚園へ入園の手続きをし、制服や体操服を購入し


息子がこんなのを着る日が来たかーと旦那と2人で感動した。



私のあの頃の記憶はとっても薄い。



毎日の行動が一緒だったせいもあるし、旦那もまともに働いていた。



私達にとって安定した時期だった。


借金返済も順調。



この年に起きた事…。それは旦那の親友が亡くなったこと。



会社関係の友人で一緒に飲みに行ったり、きっといろんな事を相談したりしていただろう。



別れは突然だった。



『死んだって…』



旦那はうつむいて私に言った。



『墓参りの後で…車でぶつかって…』



声が震えていた。



『いつもちゃんとシートベルトしめる人なのに…なんで…』



友人はその日に限ってシートベルトをしめ忘れ事故に遭いそのまま帰らぬ人になった。



『そうか…つらいね…』




私は旦那を抱きしめた。



旦那はうつむいたまま声を殺して泣いていた。





葬儀も終わり落ち着いたある日。



ベランダで洗濯を干しながら息子の相手をしていると




『ミャー…ミャー…』と声がした。




『なんだろうね?』



息子と2人で声のする方へ行く。




『にゃー!どこだー??』


草むらの中から声がする。



2人で座りながらまるでトトロを見つけたメイちゃんみたいに草むらを覗く。



『ほら、おいでー。お腹空いたでしょ?』



手を差し出すとトラ柄の小さな子猫が出て来た。




『にゃー来た!』



私と息子は猫を自宅に連れて帰り餌をあげた。




旦那が仕事から帰ってきた。



『わー。猫!どうしたの?』



『草むらで鳴いてた。』



たくさん食べて寝転ぶ姿に癒された。



『今日から飼ってもいいかな?』





その日から私たちの生活に+1匹が追加された。