◎前回のお話
息子はもうすぐ2歳。
相変わらずの借金返済生活が続いていた。
手取り17~18万円から4分の1引かれ、5万円の家賃や生活費を払う生活はずっとカツカツだった。
親に頭を下げ借りなければ生活出来ない日々。
どうにかしなければ…。
そんな時親から実家付近に新しく建て直された市営住宅の入居者募集が始まっている情報を聞いた。
『引っ越そう!』
私は旦那にすぐさま言った。
旦那も同意してくれた。
市役所に申し込みをし、抽選の日を迎えた。
入居できる部屋に対して応募者はだいぶ多かった。
『当たらないかもね…』
周りの人たちは喜ぶ人もいれば落ち込む人も居て、はたして我が家はどちらに転がるのか…
ドキドキしながら順番を待った。
『柏崎さーん』
我が家の番が来た。
旦那と2人でどちらが回すかを決めかね、私が旦那の背中を押した。
抽選用のガラガラを息子と一緒に回した。
カラン。
玉が受け皿の上に落ち、市の職員さんが指でつまんだ。
『当たりです。』
笑顔で私たちに伝えてくれた。
『やったーーー!!!!』
思わず旦那と手を叩いた。
部屋の広さは3DK。広いベランダと対面型のキッチン。
お風呂の給湯も全自動。
家賃は駐車場代を併せても3万円以下!
少し生活が楽になる…。
『良かったね。』
帰り道旦那と喜んだ。
『いつか借金返したらお金貯めてマイホームだね!その前に結婚式か!?』
そう言いながら笑った。
引越しはお父さんや親戚に手伝ってもらって終わらせた。
団地に引越し息子は2歳になった。
良い家族になろう。ここで。
しかし新しい生活が私たちに新しい試練を与えるなんて……
神様なんていないって本気で思った。