◎前回のお話




こんな旦那でも横にいてくれるとホッとする。



私も完璧な主婦ではなかった。


家事も苦手だし、年の違うママ友ともうまくコミュニケーションを取ることが出来なかったし


まだまだ遊びたい盛りだった。




旦那がいてくれる事によって心のバランスも取れていたし


普通に暮らしているときは本当に楽しかった。




だからこそ隣にいて欲しかったし

一緒に幸せになりたかった。



その夜、隣りにいる旦那のあったかさがうれしくて泣いた。




次の日のハローワークに出掛けた。


棚に並ぶファイルから自分に合う仕事を見付ける。




室内の椅子にはたくさんの求職者で溢れていた。


私は子どものことを見ながら旦那に声をかける。



『またサービス業にするの?』


『稼げればいいよ。』


『でも好きでやってたんじゃないの?』


『いいよ。』


決して投げやりな感じではなく、優しい『いいよ』だった。




家族の為に頑張って欲しい…そう思った。



何個か仕事を選んで窓口へ行った。



受付の職員さんは職歴を見て旦那を二度見した。



『ちょっと…転職が頻回ですね?難しいかもしれませんよ?』



『働かなきゃ生活出来なくなっちゃうんでとりあえず進めてください。』



後から私も口を出した。




2、3社に電話してもらったが良い答えはもらえなかった。



『ここがいいんじゃない?』


『給料安いよ』


『仕方ないよ。最初は安いんじゃないの?』



何社かメモをして家へ帰る。




『早めに決めなきゃね。』



『ごめんな』



『ホントだよ。私、大人の人と結婚したからすんごい安心してたんですけどー』



『ごめん』



『頑張ってちょうだい!』



夕飯をテーブルに並べながら言った。





それから数日、旦那はハローワークへ通ったり面接へ行ったりしたがなかなか決まらなかった。



『ねえ、ここどう思う?』



私が勧めた職場だった。



『最初から稼げるなんて話はないよ?地道に頑張らなきゃお金は手に入らないんだから

最初は安くても頑張ろうよ。』



『そうだな…』




次の日旦那は会社の面接へ出掛けて行った。



『頑張ってよ!』


『うん。行ってくる。』



息子と玄関からバイバイをした。




旦那の仕事は無事決まり、息子の誕生日前の春。


暖かい日が続き息子もだいぶ大きくなりとある悩みが出て来た。







『あー…紙パンツ…


ビッグサイズの上はもうないよなー…』




そう。トイレトレーニングの時期がやって来た。