その頃の私はポケベルしか持ってない上
我が家は黒電話。
無駄に長電話が出来ないようにするための親の策略だったのか
家から彼に連絡を取るためにはリビングか
電話線を無理無理引っ張ってドアから玄関に出て
コソコソ話すしか無かったのです。
お母さんに少しずつ妊娠がバレ始め不安になった私は
彼の携帯に連絡を入れました。
おろしたくない…
おろしたくない…
家庭の中で浮いた存在になった自分にはもう彼しかいませんでした。
プルルルル…
プルルルル…
プルルルル…
ガチャ
『もしもし!?』
『……只今、電波の届かないところか
電源が入っていないため……………』
…………
何度も何度も…
同じアナウンスが流れるだけでした。
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