いつもありがとうっ

私は卒業しましたが、FXに関して私の考えを書きます。


為替相場は、人間の思惑と国家の政策と資本の潮流が同時に混ざり合う“巨大な気象システム”のようなものです。天気が完全には読めないのと同じで、為替も本質的に読みにくい構造を抱えています。読めないという感覚は正しく、むしろ健全なリスク認識です。


為替が読めない最大の理由は、価格形成に関与するプレイヤーが桁違いに多いことです。個人投資家から中央銀行、機関投資家、ヘッジファンド、輸出入企業、政府系ファンドまで、意図も時間軸もバラバラです。為替は、これら全員の“集合意思”が一瞬ごとに価格を作る市場であり、単一のロジックで動くものではありません。


もうひとつの難しさは、経済だけでなく政治も大きく影響する点です。金融政策、地政学リスク、国際協調、突発的な発言、予期せぬ介入など、いわゆる“ファンダメンタルズ”外の要因が猛烈な速度で価格に織り込まれます。先の読めない突風が常に吹き込んでいる状態です。


さらに、為替市場は世界最大の流動性を持っており、一瞬の資金移動だけで大きく動かせる領域ではありません。誰かの予測が当たり続けるほど単純な構造ではなく、統計的なノイズが支配的になる時間帯も多い。技術分析が効く場面がある一方、効かない場面も同程度に存在します。


為替市場は読めない、だから無理に読もうとしない。これは極めて合理的で、長期の資産形成を考えるうえでも本質的な態度です。むしろ為替は“完全には読めない前提で設計するもの”という意識を持つと、リスク設計が一段と洗練されていくのだと思います。