「何なんだ一体……」あの不思議な声はエコーがかかり、2、3人の声が入り交じっている。そしてなにかパチパチとボタンを押すような音が、やたら神経を圧迫するのだ。
しばらくして痛みはおさまったが、バイトの疲れとさっきの奇妙な感覚のおかげで、フラフラになりながらもようやく家にたどり着いた。
母が夕食を食べなさいとうるさく言ってきたが、その声も無視し自分の部屋のベッドで俺は倒れるように眠りこんだ………。


「ちょっと!!こんな時間にどこ行くの!」深夜1時ごろ、私は息子の部屋からガサガサと物音がするので目が覚め、息子の部屋に向かおうとしたその時、2階からバスタオルに長細い何かを包んだものを持って息子がおぼつかない足どりで、玄関に向かって行った。一応引き止めようとしたが、もう息子も20歳の大人なので何か用事でもあるのだろうと、私は深く考えずにいたのだ…。
(第4話に続く)
当然あれだけ毎日CMをしているのだから知らないハズはないのだが、
「分からないよ…」
とだけ答えた。
すると岸本は、これ以上聞いても無駄だというふうに、
「そうっスカ。」とだけ答え、また黙々と作業を続けていた。
お客さんもそのゲームを買った帰りのようで、何人か手に提げていた。
そしてようやくバイトが終り、またあのゲームショップの前にさしかかると、
(ヒューマンシティーは完売しました)
と貼り紙が貼られ、普段の物静かなゲームショップに戻っていた。と、その時突然、頭が割れるような痛みが襲いかかり、俺はその場にしゃがみこみながら頭をおさえていると、あの有名なBGMが鳴り響いた…
「タラッタタラッタン…」
BGMが流れる後ろで、日本語でも英語でもないような不思議な声も聞こえる…。
(第3話に続く)
ある有名なシュミレーションゲームの発売日…。
街の繁華街にあるゲームショップの前には、それを買い求める客が長蛇の列を作っていた。
「こんな空想で塗り固められたものにお金を払うなんてバカじゃないのか…」と、俺は鼻で笑いながらバイト先に向かっていた。
そのゲームは[ヒューマンシティー]といい、空想の町に主人公が誕生し、学校へ行き、大人になると仕事を見つけ、結婚や家を建てたり、死ぬまでにどれだけの資産を蓄えられるかというものだ。
たしかに最近テレビでやっているCMを見れば面白そうなものだが、所詮どれだけ空想の世界にお金があっても現実の世界で冷や飯を食うような人間にはなりたくないと俺はいつも思っていた。
ただ、このゲームのプレーヤーのように人間を思いのままに操りたいとは思うが…。
ようやくバイト先のドラッグストアに着き、「おはようございます!」
と、バイト先の連中に挨拶しながら今日も長い一日が始まるのか…などと憂鬱な気持ちで店先でレジを打っていると、同僚の岸本が、「今日発売のゲーム買っちゃったッスよ。正岡さん知ってます?」と聞いてきた。
(第2話に続く)