期待を裏切った彗星 ③ です。
私くらいの元天文少年の期待を裏切った彗星といえばコホーテク彗星でしょう。
私は結局この彗星を見ることができなったので写真がありません。
それでとりあえず1997年5月5日のヘール・ボップ彗星の写真を貼りました。
コホーテク彗星は1973年3月に写真で発見され、
木星軌道付近にあって15等という比較的明るい
標準光度6等の彗星でした。
今では懐かしい仮符号1973fです。
当時購読を始めたばかりの天文ガイド1973年6月号で紹介され、
近日点通過後の1974年1月初めに光度1等の大彗星として見えるだろうと期待されました。
ただし1970年のベネット彗星には及ばないという記述もありました。
その後天文ガイドでは特集記事が組まれ、昔の大彗星として1744年のクリンケンベルク彗星や1858年ドナチ彗星が紹介され、こうゆう彗星が見られるものだと思いました。
天文ガイドの広告に世紀の大彗星がやってくるという見出しもありました。
11月には当時の気象クラブの仲間が明け方にコホーテク彗星を10センチ反射で見たという話を聞きおおいに盛り上がりました。
そして近日点を通過し1974年1月夕方の空に姿を見せたのですが、こちらは日本海側の気候で天気が悪く見るチャンスがあったのは1月13日だけだったと思います。
私は運悪く彗星の位置が載っている天文ガイド2月号を友人に貸していて、彗星の詳しい位置がわからず、8センチ屈折のファインダーで探しましたが、結局見ることができませんでした。
もうすでに近所の庭木の影に隠れいたのかもしれません。
夕空の金星と木星はよく見えました。
簡単に肉眼で見えるものと思っていたのでがっかりでした。
彗星のあるみずがめ座の星列もよくわからなかったこともあります。
翌日地元の新聞にコホーテク彗星の写真が載り、気象クラブの同級生の人がコホーテク彗星を見たというので非常にうらやましかったです。
同級生がいうには弟さんが先に肉眼で見つけたそうですごく暗く尾も淡かったそうです。
その後悪天候が続きコホーテク彗星を見られなかった悔しさが残りました。
これに懲りてすぐに全天恒星図を買いました。
2年後の1976年3月にウエスト彗星を見て写真を撮ることができたのもこの悔しさがあったからだと思います。