1976年3月5日は彗星を初めて見た日でした。
ウエスト彗星です。
今でも忘れられません。
当日早起きをして東の開けたところまで5分ほど歩いていきました。
空の低い所にまさにほうきの形をして浮かんでいて、
目が慣れると北側へたなびいた長い尾が見えました。
長さは北斗七星より短く、夏の大三角のベガとデネブの間くらい22度ありました。
光度は1等と見ました。
写真のデータは1976年3月5日4時56分で露出は20秒です。
フイルムはネオパンSSS。
カメラはペンタックスKX にレンズは55mmF1.8で絞り開放です。
撮影地は新潟市江南区亀田です。
フイルムはカメラ店に出したのですが、何も写っていないと言われ、
長巻のまま戻って来ました。
ネガを見て星が写っていることを確認してプリントをお願いしました。
それで擦り傷だらけの写真となったわけです。
かなりがっかりしました。
その後20数年前に地元の商店街のギャラリーで写真展を開いた時に
パソコンで傷を修正して復元したのがこの写真です。
電線が写っていますが、気が付かなかったか近くの家の犬に吠えられて
下がって撮ったのかもしれません。
次の写真は3月7日のウエスト彗星です。
この日は春霞がかかったような空で透明度が悪く写りが良くありません。
それでも光度1等尾は15度ありました。
地平線が傾いているのはカメラ三脚がなく(雲台もありません)
望遠鏡にカメラ取り付け金具を介してカメラを直接載せたからです。
今振り返ると前年の秋に買ったばかりの一眼レフカメラでよく撮れたと思います。
通りがかった牛乳配達のおじさんが「彗星ですか」と言って
8センチ屈折望遠鏡をのぞいていきました。
誰でも空を見ればすぐにそれと分かる大彗星でした。