マーブル模様

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Kちゃんは、大切な、ともだち。
初めて会った日のことを、今でも、はっきりと覚えてる。
僕がまだ独立する前の事。
職人さんがストライキをしてる現場に、営業の担当者と向かった。
誰もいないはずの現場に、一人の女性。
ブラウスの袖とズボンの裾をまくり、裸足で、黙々と塗装していた。
Kちゃんは、塗装会社の営業担当者だった。


Kちゃんは、寡黙だ。
Kちゃんのプロフィールやエピソードは、本人以外の人に聞いた事ばかり。
Kちゃんは、中学を卒業後、すぐに塗装職人に弟子入り。
「女のくせに」
女性という理由だけで受けたであろう嫌がらせは、想像に易い。
その頃のKちゃんの気持ちは、わからない。
でも、きっと、誰よりも働いたに違いない。
誰かに認められたいとか、片意地張るとか、ましてや、誰かを見返すためでもなく、ただ、黙々と。
「やらなあかん事、やるだけ」
Kちゃんを育てたおやっさんが商売を畳む時、Kちゃんの人柄や仕事ぶりをかっている社長の会社に、Kちゃんは営業職で迎えられた。
その時も、ある事ない事言う者がいたらしい。
Kちゃんに、営業スマイルは無い。
「女を売り物にする」なんて事は、断じてない。

初めて会った時、不手際の謝罪、そして必ず工期を守ると約束したKちゃん。

なんの言い訳もしない、誰のせいにもせず、自分の責任で、ただ前に進もうとする、Kちゃんの生き方に触れた瞬間だった。


つづく