陰虚証とは 

 陰虚証とは、臓腑の機能が低下し、津液、精、血など陰液が足りなくなる証候。そのため体内の陽の働きを制御できなくなったり、滋潤・需養作用が低下したりする虚熱の証候で、虚証・熱証の性質を持っています。

 陰虚証では、津液・精・血のような陰に属する物質の虚損により体の内部から熱の症状が現れると同時に、陰陽学説から陰虚により陽が旺盛になり熱の症状も現れます。

 陰虚証は気虚・血虚・陽亢・精不足・津液不足とともに現れることが多いです。陰虚は進展すると陽虚(陰陽両虚)・亡陰となることもあり、また内風・気滞・血お・水停など病理変化を起こすこともあります。陰虚証に密接に関連している臓腑は肺・心・肝・腎と胃・大腸です。

 

 

陰虚証の原因 

①体質が虚弱・先天の不足

②塩辛いもの好んで食べる、あるいは温熱 の性質を持つ薬の服用。食べ物の過食などにより陰液が不足するか、消耗をする。

③ストレスにより肝気鬱結・肝火上炎になり、陰液を消耗する。

④房事過多により陰液を損傷する。

⑤慢性病により陰液を損傷する。

⑥過労により陰液を損傷する。

⑦熱病の後期(高熱・糖尿病・甲状腺機能亢進症など)で陰液を消耗する。