『今日も美味かったよ。ありがとう』
「あぃぁお」
一郎と2人
空になった弁当箱をキッチンに下げる
あ、弁当箱を洗うのは
一郎が毎回自分がするというのでお願いしている
「こちらこそありがとう。2人とも好き嫌いないから、作るの悩まずにすんで助かります。
あ、でももし苦手だなぁって思ったら無理しないで残してね?」
『だってさ』
相葉くんの言葉を
一郎に手話で伝えると
ぶんぶんぶんと首を横に振り
泡だらけの手で丸を作ってからハートを作る
もちろん俺も一郎に同感
だから
『全部好き♡』
と指ハート付きで返事した
ん?
相葉くん?顔が赤いな
どうした?
風邪でも引いた?
『熱あるのか?』
そう言って
相葉くんのおでこに手を当てると
「ひゃあぁ///」
今度は耳まで真っ赤に
けど熱は、なさそうだな
『大丈夫?』
「だ、だだだだだ大丈夫です!
ちょってビックリしただけでビンビン、
じゃなくて///
ピンピンしてます!」
クスッ
ピンピンとビンビン言い間違えるなんて
そんな所も可愛いんだよなぁ
ん?
可愛い、って…
相葉くんは男だぞ
可愛い、はさすがに失礼だよな
けれど
笑った顔は見ていたらこっちまで明るくなるし
たまにおっちょこちょいなところもまた微笑ましいし
とにかく可愛いものは可愛い
一郎にだって負けず劣らずだ
それに
内面から滲み出る美しさ
これは
そんじゃそこらの美人じゃ到底太刀打ちできやしない
『俺は、相葉くんに出逢えて一緒に同居できて良かったよ』
「櫻井さん…」
『はじめてなんだ。
同僚でこんなに気の合う相手と友達みたいな感覚で仲良くなるのって』
俺がそう言うと、相葉くんは
一瞬俯いたあと
すぐに顔を上げ、
「オレも櫻井さんと一郎くんと出逢て
毎日めちゃくちゃ楽しくて幸せです」
と、微笑んだ
その目はなんだか切なさそうに見えたのは
オレの勘違い…だったかな?
だって今はこうして
一郎と楽しげに
デザートのプッチンプリンを皿に写し、
さくらんぼを飾りつけしてるんだから
つづく……
君のせい
そろそろ気づいてよ〜