久しぶり…ではないのだけど
この間は翔ちゃんのことしか頭になく
顔すらまともに見てなかったから
今日逢えるのがうれしくてうれしくてたまらなかった
口に合うかどうかわからないけど
虹色のマカロンやスコーンを焼き
庭で育てたミントの葉を摘んでお茶を用意し
ウキウキしながら出迎えた
けれど
開口一番、2人の口から出てきた言葉は
明らかに棘のあるものだった
「聞いてないんだけど⁈そいつが悪魔だったなんて」
「右に同じく」
「俺たちにも分かるように説明しろよ」
「納得できるような答えをくれなければ強制的に連れ帰ります」
「ジュンっ…カズぅっ…」
さっきまでのウキウキ気分は一瞬にしてぶっ飛ぶ
そんな言葉を正面から受け止めるカタチで
オレの前に立った翔ちゃんは
深々と2人に頭を下げた
『マサキを…大天使様を危険な目に合わせて申し訳ありませんでした』
と…。。
「違うの聞いて!翔ちゃんはね!!」
オレを守るために仲間の悪魔を殺し
闇堕ち寸前になったところを
ゼウス様に救出され、天使になったこと
そのあとも
ずっとオレを護り続けてくれたこと
等をできるだけ分かりやすく話聞かせた
一通りの話が終わるまで
2人は何も言わず聞いてくれた
そして
もう1人の証人も
揺れるカーテン
「ね?そうだよね!…サトちゃん」
「ふふふ。バレてたね」
「バレバレ」
「登場の仕方が古典的過ぎです」
『サトシくん…』
「ジュン?カズ?もう分かってるんでしょ?
反対しても無駄だって。
2人の絆が本物だってゼウス様が見定めたから、もう一度人間界で学ぶチャンスを与えたんだから」
「っ…」
「っ…分かったよ。分かりました。その代わり」
はじめてカズはオレから目を離し
ショウちゃんを真っ直ぐ見つめた
「コイツのこともう二度と泣かせないでください」
それに続いてジュンが降参とばかりに両手を上げ
「あんたに託すよ。俺たちの大切なマァを」
天を仰いで言った
『必ずマサキを護りぬき幸せにします。神に誓って』
「オレも翔ちゃんと二人で幸せになります!だから空から見届けてね」
こうして大切な仲間にも
オレたちのことを
なんとか認めてもらうことができた
これで晴れて恋人として
ラブラブな人間ライフを満喫
・・と思いきや
なかなかそう簡単には
大人の階段を登れなくて
というのも
「え?オレが?翔ちゃんじゃなくて?」
『いやいや。そっちはどう考えてもお前の方が適任だろう?』
「ヤダよ。オレが翔ちゃん抱きたいもん」
『抱かれたいの間違いじゃなくて?素直になれ、って」
「だって痛いんだよ?痛いの嫌だもん」
『痛くしないためにこうしてシミュレーションを繰り返してるんだろ?』
二人ベッドの上。
タブレットの中のアバターの体位や角度を変えながらオプションやアイテムを追加し
あ〜だこ〜だ言いながら
夜な夜な猛勉強中
そんな俺たちの様子を
ガジュマルは葉っぱを揺らして笑っていた
天使に恋は難しい
〜おしまい〜
はぁぁぁ
やっと書き終えたぁ
お話の〆ってホントに難しくって悩みに悩みまくりました
最後まで読んでくれてありがとう🌸🍀
感謝カンゲキ愛嵐✨✨