しつこくマサキを飲みに誘う邪魔者沖を雅紀から力づくで引き剥がし、あしらってから

間もなく部長が出勤してきた



「おお〜。相葉ぁ戻ってきたか。(営業企画課)ヘルプご苦労さん。向こうの部長もキミの働きぶりを高く評価していてね、僕も鼻が高いよ」


「ぁ…りがとうございます」


『部長!お話が!』




人間界を去った日から数時間のズレのみで

また人間界へ戻ることができた俺たち


沖のあの様子だと

破壊したはずのマンションは

沖の住まいではなかったのだろう


おかげで記憶の修正や自己処理など余分な手間は省けた


ゼウス様ありがとうございます




まっ

一番めんどくさい相手に抗議という名の説明を今からするのだが・・



「何なに?櫻井。眉間に皺なんか寄せて。昨日飲み過ぎたか?」



『いいえ』


「じゃあどうしたのよ。朝からそんな圧の強い顔して。ほら笑って。スマイル、スマイル」


笑えるか!ボケッ



『・・俺に婚約者がいると部長は何か勘違いされてるようですが、ハッキリと申し上げます。

そんな相手はいません!』


「え?だって社長のお嬢さんがキミに好意を抱いていてるって。社長もキミなら将来この会社を任せられるっておっしゃってたから…もう話は進んでるものかと」



『そのお話ならキッパリとお断りさせていただいてます』


「次期社長だよ⁈ せっかく将来が約束されてるっていうのに⁈」



『生憎、自分の将来は自分で切り開いてゆく主義なので』


「えーーーマジかぁ、、、」




『ですから、今後はコイツの心を乱すような発言は控えてください。いちいち誤解を解くのも面倒なので』


「ちょ、ちょっと// 翔ちゃん!」






「??コイツって相葉?のこと?

で・・翔ちゃんって?

え??お前たち一体いつからそんなフレンドリーな仲になったの⁈」



真っ赤な顔をし俯いた相葉の腰を軽く引き寄せ


『報告が遅れましたが、俺はいま、相葉と一緒に暮らしてます。住居届等の手続きは後ほど提出します』



「ちょっと待って。それって今流行りのシェアハウス、的なやつ?」


『すみません。今話せるのはここまでです。

では仕事に入ります。相葉!外回り行くぞ』


「ぁ、はいっ//」




その日は就業時間が終わるまで

部長からしつこく追及されたが

マサキにも完全スルーさせ



「沖くん、ごめんね。今夜は櫻井さんと用事があるの。また今度誘ってね」


もちろん沖にも断りを入れさせ



俺たちはようやく帰路に着くことができた






つづく……