とりつく島もないくらい
メラメラオーラ🔥の翔ちゃん
婚約者なんていない、って翔ちゃんは言ってるけど
オレに気を使ってなのかもしれないし…
もしかしたら
お相手が社長の娘さんだから
会社から正式な発表があるまで
婚約の件は内密にしていたかったのかもしれない
百歩譲って、
もし本当にそんなお相手が居なかったとしても
もう一度人間として学び直すには
そういう縁がこの先待っているなら
結んだ方がいいに決まってる
ただでさえ
オレは翔ちゃんの未来を二度も狂わせてきたんだ
オレはこの先も
会社の同僚として
翔ちゃんの側にいられるなら…
それだけで…いい
そんなことを考えながら
部長が来るのを待っていたら
目を疑うような光景が飛び込んできた
あまりの驚きに言葉を失う
だって
あの夜、
翔ちゃんの手で消されたはずの
闇堕者だった沖くんが
手を振って近づいてきたのだから…
ぉおおっ…沖くんがっ…ぃぃいっ生きている⁈
隣からは
さっきよりメラメラと火傷しそうになるほど熱いオーラが🔥🔥🔥
「翔ちゃん!闇堕者が甦った!」
『違う。あれは本者だ』
「え⁈」
『俺が人を殺めるわけないだろ。
俺が手を下したのは沖の姿に成りすましてお前を襲った闇堕者だ』
「じゃ、沖くんは⁈」
『嗚呼。見ての通りだ。見たくもないがっ』
「よかったぁ。。良かった無事で!」
オレは沖くんから忘れ物を受け取り
そのまま両手で沖くんの手を強く握った
「はい!!だから今夜一緒に祝杯をあげましょう」
沖くんが言ってる言葉は正直あんま頭に入ってこなかったけど
とにかくオレは
沖くんが闇堕者じゃなかったことが嬉しくって
ここが会社だということを忘れるくらい
おかしなテンションで喜んだ
そう
翔ちゃんの手によって沖くんが強制退室されるまで
つづく……
沖くん空気は読めなくても悪いやつではなかった
🥲