二人の出逢い
過去編のつづきとなります
『目の前が真っ赤になって、、気づいたら
お前を襲った仲間たちを焼き殺 していた…』
「っ…」
『仲間を殺めてしまった罪は重い。
捕まって闇に堕とされるくらいなら
自分の命を捨ててでも助けたいと思った…
腕の中でどんどん冷たくなってゆくお前を抱きしめながら』
「そのおかげで…オレは助かったんだね?」
『嗚呼。なんとか息を吹き返した。
けれど力を使い果たしてしまった俺はそれ以上何もできなくて…』
「・・オレ、悪魔に襲われた記憶はうっすらだけど覚えてる。
なのにこんな…こんな大事な記憶が抜け落ちていたなんて…ごめんなさい」
『いや、マサキ。それは仕方ないことなんだ。
俺も後から聞かされた話なんだけど
天使のカラダに悪魔の命が吹き込まれたお前の力は天地を揺るがすほどの強力なものとなった。
もしそのことが世に知れ渡れば、恐怖に慄く者たちの手によってお前の命が奪われてしまうとゼウス様は案じたんだ』
「だから…記憶を封じた?」
『嗚呼。その力と一緒に』
「・・翔ちゃんは?翔ちゃんはその後どうなっちゃったの⁈ 闇に堕とされちゃったの⁈」
『俺は…。天使になった。ゼウス様のお導きで』
「よかったぁ。オレと一緒だ」
『一緒じゃない』
「え?」
『俺は裏切り者の天使だ。天使になっても悪魔の血は消えない』
「一緒だよ?」
『・・・・・』
「オレは翔ちゃんの命で生かされたんだもん。だから一緒。オレと翔ちゃんは運命共同体なんだよ!」
『マサキ…』
ポロリ
大きな翔ちゃんの瞳から
一筋の涙が零れた
それはオレが見る
はじめての
翔ちゃんの涙だった
つづく……
ふぅ〜
伏線回収まであと少し