「マサキ。その手を離しなさい」


「…っ…ぃや…です」



「マサキ?」


「いくらゼウス様の命令でも従えません。

オレは翔ちゃんを離さない。絶対にっ…」




やれやれ。。それじゃショウが身動きとれず苦しいじゃろ、、力だけでも緩めてやりなさい」




…え??



ゼウス様にそう言われて

力づくで抱きしめていた腕の力を

ほんの少し緩めた・・ら



『ケホケホッ、、ゲホッ』



「っ…しょ…ちゃん⁈」



この…馬鹿力が』



腕の中

真っ赤な顔で咳込みながら

翔ちゃんが上目遣いで悪態ついていた




その瞳には


オレが



映って……るっ





「しょ…っ…翔ちゃんっっ!!」



『ぉわっ!馬鹿!だから力っ抜けって!』



「良かったぁぁ。ぁぁあ〜ん良かったぁぁあ。。。

ごめんね、、翔ちゃん。。オレのせいで、、こんな酷い目にあって…ごめんなさい。。ほんとうに本当にごめんなさい、、」



ギブギブ叫んでいた翔ちゃんを

もう一度ギュッと強く抱きしめる



だってね

翔ちゃんも

オレ以上に強く抱きしめてくれたから



「コホンッ。そろそろいいか?2人共」



その声に

翔ちゃんはオレとのハグを強制終了し


『ハッ!!ゼウス様』


神の前に跪いた



オレも後を追うように急いで跪く





「顔をあげなさい」



『申し訳ありませんでした!大天使様を守護する立場でありながらこの不始末。。何なりと罰をお与え下さい!』



「違います!悪いのはオレです!オレが油断して捕まったから。全部オレの責任です!翔ちゃんは悪くありません!!」




「ショウ」


『ハッ』



「お前には大天使を守護する任務を任せた。

それなのに、己の感情のコントロールを誤り

マサキ(大天使)を危険に晒した、その罪は重い」


「だからっ…それはオレが!」


『マサキ!お前は黙ってろっ』


「でもっ、、」



「マサキ?お前も重罪を犯した。

死んだ者を生き返らせる。

輪廻転生に司る天使の身で、それがどれほどの御法度であるか忘れたわけではあるまいな?」



「はい。覚悟の上です。

地獄に堕ちても構わない。そう思って力を使いました」


『マサキっ…』



「ですがゼウス様。それは翔ちゃんが望んだことではありません!オレが勝手にしたことです。

翔ちゃんが身を挺してオレを護ってくれなきゃオレが命を落としてました。

翔ちゃんは立派に任務を果たしました。

だから翔ちゃんに罪はありません!

罰を与えるならどうかオレだけに!!」


『違います!!そもそもは俺の失態です!

マサキはこの天界になくてはならない存在です!この先も多くの魂を救い導くことでしょう!

ですからどうかゼウス様、、

マサキの羽を奪わないでください!

お願いします!お願いします!!お願いします!!!」




「困ったのう…。しかし罪は罪じゃ」


「『っ…』」






「マサキ、ショウ、」



「『・・・・』」





「二人にはまだまだ足りないものがある」



「『・・・・・・・』」





「よって、もうしばらく〝人間界での修行〟

という罰を与えることとする」



「ゼウス…」『…様っ』




「異論はないな?」




「『はっ、はい!ゼウス様!!』」







つづく……




読者さんも異論ないかな?