浪曼堂 スカーフェイス
浪曼堂2世シリーズの中で、もっとも出来がいいのがこのスカーフェイスだ。メインキャラの万太郎やケビンマスクはインジェクション製だが、このスカーフェイスとレックスキングのみソフビ製。通常はインジェクションの方がグレードが高いイメージがある。ソフビは安っぽいイメージがあるし、そんなに可動も期待できない・・・。しかし。
しかし、ソフビであるこのスカーフェイスが、もっともクオリティが高い。
塗装、関節の可動域、造形、プロポーション、すべてにおいて比類なき完成度!浪曼堂の可動ソフビは、ここに頂点を極めた。
佇まいも最高だ。
燕尾スーツのようなコスチュームも、斬新だった!
スカーフェイスはパワー型超人だが、顔は綺麗で、しかも燕尾スーツ。野獣性とフォーマルが同居した不思議な存在なのだ。
胸のマークが、どうだ。
シルヴァーの美しい塗装に注目して欲しい。
一本足で立ってしまう!
この安定感は凄い。軽いソフビだから出来る芸当なのだろうが、関節部分のキープ力も抜群なのがいい。
付属パーツは、このマントだ。
2世の7巻155ページ目で初披露された姿である。
スカーフェイスは、最初はボルサリーノ帽の、いかついマフィア超人としてその姿を現した。帽子を取ると頭部に大きな傷があり、その傷がドクドクと不気味に蠢いていた。
ヘラクレスファクトリー時代の描写で、バッファローマン教官がスカーフェイスを暖かいまなざしで見つめるコマが描かれている。とても意味深なコマだったので、当時は多くの読者が「スカーフェイスはバッファローマンの息子だ!」と予想したはず。
バッファローマンと言えば1000の傷。傷は英語でスカー(scar)。
バッファローマン息子説は現実味を帯びてきたが、翌週、スカーフェイスがオーバーボディを脱ぐと中からまったく違う姿が現れたのだ。これにはやられたなぁ~。
多分ゆでたまご先生も、バッファローマンの意味深なコマを描いたところまでは、息子(または弟子)にする気だったはずだ。でなきゃ、あんな意味深なコマは描かないだろう。
リングサイドでスカーの授業態度を見守るバッファローマン教官。
まるで、親のようなまなざしだ。
背景の点描トーンも、妙な情感をかもし出している。
この頭の傷から、ロングホーンが生えてくると思ったんだけどなぁ。思わせぶりだよ!
バッファローマンには「バッファロー族最後の生き残り」という設定があるので、もしスカーフェイスが息子だったら一族の貴重な跡取りになっていた事だろう。
これだけの逸材はなかなかいない。アルティメットスカーバスターというバスター破りの必殺技や、破天荒なパワフルファイトは、バッファローマン2世と呼ぶに十分ふさわしいファイト内容だったのだが。
ジェイドを完膚なきまで叩き潰したあのファイトは、まさに悪の華。女性ファンの多いジェイドを潰した事で、スカーフェイスの女性ファンがさらに増えたというのだから、その屈折した人気のほどが伺える(スカーフェイスの同人誌はとにかく多かった!)
万太郎、ジェイドとの比較。
スカーフェイスは2世の超人の中では、もっとも強さを感じさせる超人だ。しかし若さや青臭さも同居する。2世超人のほとんどはまだ発展途上の若者たち。このスカーフェイスも例外ではなく、やんちゃが過ぎるガキンチョでしかない。
キャリアを重ね、脂が乗ったスカーフェイスのファイトも見てみたかった。「蒼白き脳細胞」と異名されるその頭脳とテクニックがあれば、彼が超人レスリングの頂点に立つのも夢ではないだろう。