私はパトリシア
みんなはパティって呼ばれている
私はフランス出身なの。
だけど、両親が教育熱心でロンドンの寄宿舎のある学校に行かされてたの。
校則も厳しくて、生きた心地がしなかったわ。
中々友達もできなくて、そんな私の心を癒してくれていたのが、カメのヒューリーだけだった。
そんな毎日も、ある新入生が来て変わったわ。
彼女のおかげで、アニーってお友達もできたし、アリステアって恋人もできたのよ。
この引っ込み思案な、私に恋人ができたなんてうちの両親さえも驚いていたわ。
そんな楽しい毎日だったけど、忍び寄る戦争の影響で、お友達も、恋人も、みんな祖国アメリカのシカゴに帰ってしまったの。
私は、両親を説得して、アメリカの学校に行ける事になったのよ。
でも、一人暮らしは、許してもらえなくて、シカゴの資産家のお嬢様、アニーの家でお世話になりながら、学校に通わせて貰える事になったのよ。
私の小さい頃の夢はお嫁さんだったけど、ロンドンで初めてお友達になったキャンディが、自立して看護婦の仕事をしているのを見て、私も仕事をして、キャンディみたいになりたいなって思ってたの。
たまたま、孤児院に行く機会があって、そこで小さい子供達の面倒を見ているうちに、わたしは、小学校の先生になりたいなって思うようになったの。
もちろん、この、シカゴで先生になって、恋人と...結婚できたらなぁ。
それが、私の夢だった。
みんなで、ピクニックしたり、食事をしたり、ドライブしたり....勿論、学業優先だったけど、毎日が、夢のように楽しかったわ。

そう.....あの日が来るまでは......
あの日から、私の時間は、止まってしまった。
恋人のステアの戦死の知らせ....
遺体は戻ってこなかった。
だから、余計ステアは、どうしても死んだなんて思えなかった。

それは、教師になった今でもそう思っている。
ステアは、生きている。
死んだと聞いてから
より鮮明に鮮やかになって
私の心の中で、今も生きている。