病識。
精神科では「病識」という言葉があり、よく使われる。
普通「統合失調症では病識がない」などとよく言われるが、他の精神疾患でも病識がないか乏しいものも結構あると思う。
例えば、アルツハイマー型の認知症などではどうだろう。
躁うつ病でも、躁状態では病識がないか乏しい。
病識のなさは統合失調症に限って使われるものではないと思う。
うつ病圏の場合はどうだろう?
抑うつ神経症くらいなら大まかでも病識があることが多い。
しかし内因性うつ病でも自殺しかねないとか、拡大自殺をする人は病識が乏しい。
拡大自殺とは母親が死のうと思い、自分の子供がこれから困るだろうと考えて殺してしまうなどを言う。
しかし拡大自殺の場合、たいてい子供は殺してしまうが自分は死ねないか自殺に失敗することが多いような気がする。
つまり病識があるくらいなら、自殺や拡大自殺をするわけがないとも言える。
うつ病で重くなくても病識が曖昧な人はけっこう多い。
わかっているようで、あまりわかっていない。
病識は認知の障害ではあるが、単純に認知と言ってしまうにはあまりにも奥が深いような…。
もうずいぶん前だけど、病棟の仲間3人で自分が統合失調症になったならどのように感じるか、あるいは理解するだろうかと話しあったことがある。
結論は意外に早く出た。
おそらく「自分が統合失調症になったのに気がつかない」のではないかと。
このあたり、さすが精神科医療に携わる人はプロフェッショナルだと思ってしまう。
自分は統合失調症のことは良く知っているので、たぶん気がつくと思う、などという人は全然いなかった。
この結論は、今考えてもその通りだと思う。