セレネース。
一般名、ハロペリドール
ブチロフェノン系の代表的薬物。
力価が高く抗精神病作用のうち、幻覚・妄想に特に効果が大きい。
現在でもけっこう使用されている薬物です。
この薬物は歴史が長いので薬価も安くその面では使いやすい。
剤型は、錠剤、散剤、液剤、注射薬(アンプル)がある。
注射薬は特に入院患者に広く使用されていたが、最近はリスパダールの水液やジプレキサザイディスなどの即効性のある薬剤が出てきたため、相対的に使用頻度が減少してきている。
普通、ブチロフェノン系抗精神病薬は幻覚妄想に有効で鎮静作用は少ないと言われるが、数アンプル筋注または静注すれば比較的鎮静効果が出る。
副作用は特にパーキンソン症候群が知られているが、この副作用を減らす努力がなされ、現在の非定型薬などの新薬が開発されている。
セレネースは悪性症候群など比較的重大な副作用を起こしやすい。
これは量に比較的依存しているため大量投与には注意を要する。内服より注射により投与する方が起こりやすい。
またこの抗精神病薬に限らないが、セレネースは薬物性認知障害を起こすことが知られている。
この薬物を服用中、ちょっとした勘違いやミスが増える。
これはもともとの精神症状のためか、この薬物によるものか区別がつかないがある。
薬物開発の際に認知障害を持つ実験動物を作る際には、このセレネースが用いられているそうだ。
近年発売された非定型薬はこの認知障害をきたしにくいといわれている。
できれば長期的に服用するなら非定型薬でコントロールした方が良い。
遅発性ジスキネジアという長期投与による抗精神病薬の副作用があるが、セレネースは起こしやすい薬物である。
アメリカでは従来型抗精神病薬を長期に漫然と使用したためにこの副作用が出現した患者の訴訟がたくさん出ているらしい。
遅発性ジスキネジアも、非定型薬では起こしにくいとされている。
余談だが、旧ソ連で反体制の人を収容所にいれ、セレネースを大量に投与して矯正しようとしたが、できなかったという。
そりゃそうだろう。
反体制思想は妄想ではないから。