雅は亜希を試す様に話かけた
「ところで、亜希さん今日の私のファッションどうかしら
」
亜希は雅の頭から爪先まで、考え深そうな目で、時間をかけてじっくり見た
(ヘアスタイルは座敷わらしを思わせる、おかっぱのセミロング
髪質は備長炭の様な黒々として光沢がある
メイクは品がある美しい顔に似合わず
ダイナミックで岡本太郎の様な、爆発芸術の様な凄味がある
羽織っているコートは、踵まで届きそうな、死神ロングコート
まるで、オペラ歌手の衣装の様だだ
色は漆黒で星の様な水滴が、ちりばめられている
パリのデザイナー、ジャン・パーのプレタポルテ、カサブランカP-11に似ているが
オートクチュールで間違いないだろう
よく見ると、やはりただの水滴だ
ヒールはフェラガモのモダングレーEZ-300シリーズに似ているが
オーダーメイドだろう
全体的なコーディネートは気品と上品と言う面では、店長の言っていた
(エレガント)は形容として間違っていないが
やはり色合いに個性がありすぎりる)
亜希はおもむろに口を開いた「エレガンドスントスン
&コシノかしまし娘の次女風味」
その瞬間、店内は呆気にとられた
店長の仲本などは(亜希さん、何を訳の解らない事を
言ってるの?
)と言わんばかりの目を、亜希に向けている
しかし雅は違った
信じられないと言う表情をしている

「亜希さん…コシノかしまし娘は置いといて
確かに今日の私のコーディネートは
確かに…エレガンドスントスンなスタイルだわ
しかし、エレガンドスントスンなんて形容詞
世界的モードの発信地、パリでも10人も知らない表現
正に世界のファションを影で操る
真のファクサー達だけが使う、隠語の様な表現よ
どうしてエレガンドスントスンを知ってるの
あなた何者
」
「雅様、お答えする前に皆に
エレガンドスントスンの意味を教えたいのですが?」
「確かにそうね、皆さん呆気に取られてるわね」
「私がまだ子供だったころ、ある老人の家に預けられました
その老人が言うには、エレガントとは」
「ちょっと待って」
雅は思わず、亜希の話をさえぎった
「その老人の名は、なんて言う人?
」
「パトラッシュおじじと呼んでいました」
「なんて事
」思わず雅は叫んだ
「あの伝説のオートクチュール職人
フランスの秘宝と呼ばれる、ファション会のレジェンド
あらゆるデザイナーに影響を与えたと言われている方
しかも、顔写真も世間に出回らない為
本当は存在しないんじゃないかって言われてる
もちろん私でさえ、会った事は無い
ネス湖のネッシーなみのレア人物だわ
パトラッシュさんの関係者と、こんな所で出合なんて
仲本さん、あなた大変な人を従業員にしてるわね」
急に話を振られて、店長の仲本は困惑していた
2人の話に、全くついて行けてないのだ
「は
はい」返事を返すのが、精一杯だ
雅は見越した様に話を続けた「ピンと来ないみたいね?
皆さんはフランダースの犬は知ってるわね?
その犬こそ、パトラッシュさんがモデルなのよ!」
一同、マジか
と言うような顔で雅を見つめた
高木だけは、相変わらず卑屈な目をしている
「実は、パトラッシュとネロは双子の兄弟で
ネロは天才的な、ファッションデザイナーの金の卵だった
パトラッシュは、子供なのに体が大きく力もち
いつも、小さくてひ弱な兄のネロをかばってた
皆さんも知ってるのとうり
貧しい2人ぼっちの兄弟は、村人に泥棒と間違われて
教会に追い詰められ、命を落としてしまう
しかし、ここからが童話には無い話
実は、死体で発見されたのは、兄のネロだけでね
村人に発見されたネロの死体には、かすかな温もりが残ってたの
どうやら、村人が来るギリギリまで
パトラッシュは、ネロと一緒に居たのね
それからしばらくして…
13日の金曜日、悲劇は突然起きた
子供から老人まで村人全員皆殺し
人間には出来ないであろう何か、大型獣にでも襲われた、惨殺死体の山
当時は、DNA検索なんて無かったから
狼の群れに襲われたって事で捜査は打ち切られた
しかし謎はいくつか残ったの
殺されたのは人間だけで家畜は無事だった

そして、とうとうパトラッシュの行方も分からなかった

ネロが当時書き残しであろう
膨大な数の、ファッションスケッチも消えたまま
フランダースの惨劇

うわさがうわさを呼んで、人々は忘れわれない悲しい記憶を
少しでも救いの記憶にする為に、フランダースの犬が、お話として作り上げられたって訳ね
のちに彗星の様に、フランスオートクチュール会に現れた
パトラッシュさんの革新的な、ラインやパターンは


正にファッション会、最大の謎と言って、良いほどの人物だわ
因みに、小巌館(本当は怖い、世界の童話集)を読めば、もっと詳細に分かるわよ」
雅は一気に巻くし立てると、ため息をついた
「さあ、こんどは亜希さんの番よ
話してくださいな
」
亜希は遠くを見つめると、静かに語り始めた
─────回想シーン─────────
ここは、とあるサッカースタジアム
試合前の選出控え室では重苦し空気が漂っていた
監督「今日はいよいよ、全国高校サッカー選手権、県予選の1回選だ
我が学園のサッカーを存分に発揮しようではないか
…と、言いたい所だが
非常に難しい状況だ
何故だか分かるな
」
キャプテン「監督
…今日の対戦相手
市立舟端高校は、過去の全国大会で三度の全国制覇を成し遂げ
去年の大会では全国ベスト4に進出した強豪校で
今年一番の優勝候補No.ワンの呼び声の高いチームです
しかも、うちの学校は頑張っても県予選、3回選どまりの並みの高校で
昨年は2回選で涙を飲みました」

監督「そのとうりだ
キャプテンよく勉強してるな」
キャプテン「ありがとうございます
」(泣)
監督「泣くのは、まだ早い
まだ、負けちゃいないぞ
試合はこれからだ(笑)…でも、お前達の気持ちは良く分かる」
監督、選手一同を見渡す
みな緊張したおもむきで、何名かはキャプテン同様、すすり泣いていた
監督「俺が、初めて服飾@学園高校に赴任したのは、去年の秋だった
学園の"ファッション理科"の先生でサッカー部の顧問
国広先生が原因不明の精神病を、患った為
臨時教師である、俺がやって来た訳だが、俺が観たところ
お前達はたいした才能も無い、ちょとばかり服が好きな

ごく普通の高校生で、ごく普通に青春を楽しみ
ごく普通のサッカーをし、ごく普通に練習を頑張り

ごく普通に2回選で負けて、ごく普通に悔し涙を流し

ごく普通に3年生も引退して、唯一の特色、服飾学校らしくアパレル業界への就職

それも普通と言えば普通だよな
別に凄いデザイナーのOBが居るわけでもなし
とにかく俺はサッカーのサの字も知らないのに
いきなり顧問にされて、取りあえず、高校生が送るであろう
それらの、ごく普通の出来事を見守ってた訳だ
…しかし…俺は、物足りない何かを感じていた(・・?)
このままではいけない
せっかく念願の高校教師に成れたのに
ごく普通なんて糞くらえだ
学園ドラマにも成らない、中学生日記にも劣る
何とかしなければ
しかし…お前達の中には、目立った不良も居なければ

凄い才能を持った選手も居ない

学園を辞めなきゃならない程の貧乏人も居ない
恐い先輩に脅されてる奴も居ないし
家族に問題抱えてるのも居ない
かといって、美人女子マネージャーを部員同士が取り合う
ラブコメ要素も全くない

だいいち唯一の女子マネージャーの高木は
そ~言った要素から、かなりハズレてる事は
みんなも知ってのとうりだ
」
選手一同は少し悲しげな表現で、監督の隣に立つ、高木に視線を移した
そして高木は、卑屈な顔で暗くうつむいた
つづく
「ところで、亜希さん今日の私のファッションどうかしら
」亜希は雅の頭から爪先まで、考え深そうな目で、時間をかけてじっくり見た
(ヘアスタイルは座敷わらしを思わせる、おかっぱのセミロング
髪質は備長炭の様な黒々として光沢がある
メイクは品がある美しい顔に似合わず
ダイナミックで岡本太郎の様な、爆発芸術の様な凄味がある
羽織っているコートは、踵まで届きそうな、死神ロングコート
まるで、オペラ歌手の衣装の様だだ
色は漆黒で星の様な水滴が、ちりばめられている
パリのデザイナー、ジャン・パーのプレタポルテ、カサブランカP-11に似ているが
オートクチュールで間違いないだろう
よく見ると、やはりただの水滴だ

ヒールはフェラガモのモダングレーEZ-300シリーズに似ているが
オーダーメイドだろう
全体的なコーディネートは気品と上品と言う面では、店長の言っていた
(エレガント)は形容として間違っていないが
やはり色合いに個性がありすぎりる)
亜希はおもむろに口を開いた「エレガンドスントスン

&コシノかしまし娘の次女風味」

その瞬間、店内は呆気にとられた
店長の仲本などは(亜希さん、何を訳の解らない事を
言ってるの?
)と言わんばかりの目を、亜希に向けているしかし雅は違った
信じられないと言う表情をしている


「亜希さん…コシノかしまし娘は置いといて

確かに今日の私のコーディネートは
確かに…エレガンドスントスンなスタイルだわ

しかし、エレガンドスントスンなんて形容詞
世界的モードの発信地、パリでも10人も知らない表現
正に世界のファションを影で操る
真のファクサー達だけが使う、隠語の様な表現よ
どうしてエレガンドスントスンを知ってるの
あなた何者
」「雅様、お答えする前に皆に
エレガンドスントスンの意味を教えたいのですが?」
「確かにそうね、皆さん呆気に取られてるわね」
「私がまだ子供だったころ、ある老人の家に預けられました
その老人が言うには、エレガントとは」
「ちょっと待って」
雅は思わず、亜希の話をさえぎった「その老人の名は、なんて言う人?
」「パトラッシュおじじと呼んでいました」
「なんて事
」思わず雅は叫んだ「あの伝説のオートクチュール職人
フランスの秘宝と呼ばれる、ファション会のレジェンド
あらゆるデザイナーに影響を与えたと言われている方
しかも、顔写真も世間に出回らない為
本当は存在しないんじゃないかって言われてる
もちろん私でさえ、会った事は無い
ネス湖のネッシーなみのレア人物だわ

パトラッシュさんの関係者と、こんな所で出合なんて
仲本さん、あなた大変な人を従業員にしてるわね」
急に話を振られて、店長の仲本は困惑していた
2人の話に、全くついて行けてないのだ
「は
はい」返事を返すのが、精一杯だ雅は見越した様に話を続けた「ピンと来ないみたいね?
皆さんはフランダースの犬は知ってるわね?
その犬こそ、パトラッシュさんがモデルなのよ!」
一同、マジか
と言うような顔で雅を見つめた高木だけは、相変わらず卑屈な目をしている
「実は、パトラッシュとネロは双子の兄弟で
ネロは天才的な、ファッションデザイナーの金の卵だった

パトラッシュは、子供なのに体が大きく力もち

いつも、小さくてひ弱な兄のネロをかばってた

皆さんも知ってるのとうり
貧しい2人ぼっちの兄弟は、村人に泥棒と間違われて
教会に追い詰められ、命を落としてしまう

しかし、ここからが童話には無い話

実は、死体で発見されたのは、兄のネロだけでね

村人に発見されたネロの死体には、かすかな温もりが残ってたの
どうやら、村人が来るギリギリまで
パトラッシュは、ネロと一緒に居たのね
それからしばらくして…
13日の金曜日、悲劇は突然起きた
子供から老人まで村人全員皆殺し

人間には出来ないであろう何か、大型獣にでも襲われた、惨殺死体の山

当時は、DNA検索なんて無かったから
狼の群れに襲われたって事で捜査は打ち切られた

しかし謎はいくつか残ったの
殺されたのは人間だけで家畜は無事だった


そして、とうとうパトラッシュの行方も分からなかった


ネロが当時書き残しであろう
膨大な数の、ファッションスケッチも消えたまま
フランダースの惨劇


うわさがうわさを呼んで、人々は忘れわれない悲しい記憶を
少しでも救いの記憶にする為に、フランダースの犬が、お話として作り上げられたって訳ね

のちに彗星の様に、フランスオートクチュール会に現れた
パトラッシュさんの革新的な、ラインやパターンは



正にファッション会、最大の謎と言って、良いほどの人物だわ
因みに、小巌館(本当は怖い、世界の童話集)を読めば、もっと詳細に分かるわよ」
雅は一気に巻くし立てると、ため息をついた

「さあ、こんどは亜希さんの番よ
話してくださいな
」亜希は遠くを見つめると、静かに語り始めた
─────回想シーン─────────
ここは、とあるサッカースタジアム
試合前の選出控え室では重苦し空気が漂っていた
監督「今日はいよいよ、全国高校サッカー選手権、県予選の1回選だ

我が学園のサッカーを存分に発揮しようではないか

…と、言いたい所だが

非常に難しい状況だ
何故だか分かるな
」キャプテン「監督
…今日の対戦相手市立舟端高校は、過去の全国大会で三度の全国制覇を成し遂げ

去年の大会では全国ベスト4に進出した強豪校で
今年一番の優勝候補No.ワンの呼び声の高いチームです

しかも、うちの学校は頑張っても県予選、3回選どまりの並みの高校で
昨年は2回選で涙を飲みました」


監督「そのとうりだ
キャプテンよく勉強してるな」キャプテン「ありがとうございます
」(泣)監督「泣くのは、まだ早い
まだ、負けちゃいないぞ
試合はこれからだ(笑)…でも、お前達の気持ちは良く分かる」

監督、選手一同を見渡す
みな緊張したおもむきで、何名かはキャプテン同様、すすり泣いていた
監督「俺が、初めて服飾@学園高校に赴任したのは、去年の秋だった
学園の"ファッション理科"の先生でサッカー部の顧問
国広先生が原因不明の精神病を、患った為
臨時教師である、俺がやって来た訳だが、俺が観たところ

お前達はたいした才能も無い、ちょとばかり服が好きな


ごく普通の高校生で、ごく普通に青春を楽しみ
ごく普通のサッカーをし、ごく普通に練習を頑張り


ごく普通に2回選で負けて、ごく普通に悔し涙を流し


ごく普通に3年生も引退して、唯一の特色、服飾学校らしくアパレル業界への就職


それも普通と言えば普通だよな
別に凄いデザイナーのOBが居るわけでもなし

とにかく俺はサッカーのサの字も知らないのに
いきなり顧問にされて、取りあえず、高校生が送るであろう
それらの、ごく普通の出来事を見守ってた訳だ
…しかし…俺は、物足りない何かを感じていた(・・?)
このままではいけない

せっかく念願の高校教師に成れたのに

ごく普通なんて糞くらえだ

学園ドラマにも成らない、中学生日記にも劣る
何とかしなければ

しかし…お前達の中には、目立った不良も居なければ


凄い才能を持った選手も居ない


学園を辞めなきゃならない程の貧乏人も居ない

恐い先輩に脅されてる奴も居ないし

家族に問題抱えてるのも居ない
かといって、美人女子マネージャーを部員同士が取り合う

ラブコメ要素も全くない


だいいち唯一の女子マネージャーの高木は
そ~言った要素から、かなりハズレてる事は
みんなも知ってのとうりだ

」選手一同は少し悲しげな表現で、監督の隣に立つ、高木に視線を移した

そして高木は、卑屈な顔で暗くうつむいた

つづく