に優等生を演じてしまいぼろが出るのを恐怖だと思ってしまう少女や物心付いた時から始まった家族拒否症候群になってしまった少年など他2本のテロップがそれぞれ1つずつ映し出された後に戸倉さんの声で左上の端っ子でキャラクターが現れ[今夜はとことん親子や兄弟姉妹について話す企画今更だけど今訊きたい親として兄弟姉妹としての本心第1弾です]と紹介して引っ込んでしまった後から拍手で本格的に始まったと言うか最初から始まっているのかもしれないけど真陽琉にとってはここからだと思って毎回観ているスタジオでは最近ラジオDJ等活動の幅を広げている鍋谷徹平が[BFTでは障害を持つ本人をはじめその家族や職場学校等々あらゆる人々のぶっちゃけを語り合う番組ですもちろん皆さんの番組に対する熱いメッセージや意見それから感想も随時紹介するので番組公式アカウントのツブヤッキータコヤッキーに書き込んで下さい待っているよ]と言い終わり早速と言わんばかりに本日の本題の[親]を語り出した[今日はねとことん親子や兄弟姉妹について話す企画で今更だけど今訊きたい親として兄弟姉妹としての本心第1弾と言う事なんですけどホームページにこんなアンケートを載せましたその結果約9000人の回答が届きました本当にありがとうございます…]という鍋谷の声と同時に真陽琉は不意に何となく番組のチャンネルを消しベッドに入って眠ってしまった今回のテーマは自分には無縁だと言い聞かせながらいつの間にか時計の針は23:00を回りそれまで眠っていた真陽琉が突然[あ…あっ]と小さな声を発して目を覚ました別にトイレに行きたくなった理由じゃないし飲食したいという理由でも怖い夢を見たんでもないただ夢の中の情景が自分には他人事だと思うのにどうしてなのか真陽琉自身でも理解出来ないくらい切なく遣り切れない気持ちになり胸を締め付けられ枕には涙の染み痕が大きく残っていた[今の夢はなんだったんだろう?]と考えたが答えが出ず再び眠ろうと眠る体制になったが1時間位眠れなかった-2007年3月14日-<ぼろアパートの一室>明け方実花が6ヶ月前に暮らしていたぼろアパートの部屋で母親の真希が倒れていたそれに気付き消防署に連絡したのは下階に住む飲食店の店員だったいつもだったら部屋を空けているのだが何故か今日は部屋に出る気分にはなれなかったのか帰宅してからずっと籠っていたのかもしれないそしてすぐに救急車両が到着し近くの診療所へと運ばれた<梓杏学院大学附属診療所病室の名札には坂戸と書かれている>[失礼ですが貴方は運ばれた方のご家族ですか?]と若そうな看護師が声を掛けて来る名札には顔写真と明日架美保と書いてあったそれをチラッと見て[あぁ…いいえ俺は下の階の者です]と言うと[そうですか…すみませんがお一人でも構いませんのでどなたか連絡出来そうな方ご存知無いですか?]と明日架に訊かれ[あぁ…娘が一人居たみたいだったけどその子しばらく見ていない気がするし旦那らしい男も見た事が無いよ]と言うと[そうですか…ありがとうございましたもうお引き取りになさっても構いませんよ]と明日架に言われ帰る準備をしたが何となく心配になってしまい次の病室巡回に行く思われる明日架の後を追い掛け引き留めて訊ねた[なぁあの人どこか悪いんだろう?もう少しだけ…傍に居ても良いか?]と明日架は少し驚いた表情をしたがすぐに[えっ…えぇどうぞ]と言ってその場を立ち去って行ってしまい病室巡回に思われた明日架の行き先はナースステーションだった辺りを少しキョロキョロと見回し誰かを探している様だそして奥に進むと白衣を着た女性の背中を見付け[黒甕先生]と呼ぶと明日架の方を見て手招きをした明日架は黒甕と言う人物の前に座り[あのぅ…先程の患者さんなんですけどどうやら近くに身寄りが居ないみたいです]と伝えると[そう…困ったわねただの入院だったらまだ時間的になんとかなるかもしれないけどもしかしたらこのまま進行が早まったりでもしてしまったら手の施しようが無いわ]と深刻そうな表情を浮かべそして頼める相手を考えそこへ電話をする事にした<呼び出し音>[はいもしもし夏川ですが]と男性が言うと[もしもし突然申し訳ございませんつかぬ事をお訊きしますがそちらはコールマンアパートの大家さんのお電話で宜しいのでしょうか?]と黒甕訊ねると夏川と名乗る男性は[はいそうですが…どちら様でしょうか?]と丁寧に応えると[あっ申し訳ございません申し遅れましたこちら梓杏学院大学附属診療所外科病棟医師の黒甕と申します]と言われ[診療所?あぁ坂戸さんの事ですか?先生申し訳無いんですが私はあの人の医療費を払う気はありませんしむしろ中学生の娘さんの居場所も全く知りませんのでどうかお許し下さい]と言いそのまま切られてしまった最もな答えだと思い黒甕は不通音が鳴る受話器を置いたそんな会話がされていた事も知らない真希は意識を取り戻し溜め息混じりで[皮肉な物ね]と呟きその言葉を聴いた男性は[どうして?]と思わず訊いてしまった真希は誰も居ないと思っていたためその声に驚いたがすぐにその理由を男性に話す事にした[だって私は中学生の娘を追い出したのよしかも身重の身体なのに]と耳にした瞬間[えっ?]と言う言葉が出たが真希には聞こえていなかった様でそのまま言葉が続けられていた[でも仕方が無かったのよ受け入れられなかったんだから実花に[私!赤ちゃんが出来ちゃったみたい]って言われて最初は[そう]って言えたけど後で[この子を産むんじゃなかった]って後悔した無理も無いじゃない彼が実花にも色目を使っていたんだからきっと実花だって嫌がっている裏では私に内緒で彼に処女を…]と言いながら突然両手で顔を覆って泣き出してしまったそれをしばらく黙って聞き流していた男性は自分はなぜここに居るのか解らなくなり呆れた表情を作りながら帰り支度を始めた[でもそうさせたのは全部私のせいなのよね私は昔から酷い母親このお腹から産まれて来てくれたのに実花が小学校に入った途端愛情を注ぐ事が出来なくなったそうあの頃と同じ過ちを犯してしまっているのよ]と言ったがもう男性は病室から去ってしまっていたそうなのだ実花の母親である坂戸真希旧姓笹木真希は実花が小学校に入った途端愛情を注ぐ事が出来なくなってしまったそれは現在に始まった事では無い過去に妹を死に陥れる様な行動をしていたのだそれは極一部の人達しか知らない暗黙の大罪とされその罪を受けた妹は現在も尚姉である真希を恨み憎んで暮らしている<病室のドアのノック音>が聴こえ[はい]と真希が返事すると[失礼します御気分は如何ですか?]と言い入って来たのは黒甕だった真希は急いで右手人差し指で涙を拭い[はいもう大丈夫です]と言うと[そうですか良かったですあっ申し遅れました担当医師の黒甕と申しますどうぞ宜しくお願い致します]と言われ[こちらの方こそ]と軽く会釈をしたそして黒甕は突然本題の方を訊こうと問い掛けた[早速なんですがご家族は?]とすると真希はきっぱり[居ません]と応えた[あら?さっきまで居た人に訊いたら[娘さんが居る]って言ってましたよ]と黒甕に言われ[そうですかでもあの子は本当に居ないんです追い出したんですよ私が6ヶ月前に]と真希が言うと[えっ…どうしてですか?]と黒甕に訊ねられ[全部さっきの人に訊いたんでしょう?そんな事訊かなくても解っているくせに放って置いて下さい!]と怒りに任せて段々と大きな声を出し黒甕に背を向けた[そうですか…それは残念です仕方が有りませんね家族が居ないのであれば直接告知しなければなりませんから]と黒甕に言われ背を向けたまま真希は不安そうな表情を浮かべ[私…どこか悪いんですか?]と訊ねると黒甕は1枚のレントゲン写真を取り出して真希の前に置いた[恐らく確実に見え辛いと思いますが…よぉく見て下さいここです多分他の病院医師や医院医師ならば[まだ中間である]と確実に診断すると思われますしかし私の診断ではもう末期で転移が早いと思っています持って…約3ヶ月っていう所でしょう]と言われると真希はゆっくりと瞼を閉じたすると黒甕が[あの…娘さんはお幾つですか?]とまるで今の凄く重たい言葉が無かった様な口調で訊ねられた真希は静かに[ごく普通に通っていればあの子は中学生になりますでも普通に通えない身体になってしまったんです]と答えると[それはどういう事ですか?]と黒甕に訊ねられ真希は今更ながら少し躊躇った表情を浮かべ[子供が子供を授かってしまったんですよ]と言うと黒甕の顔色が一瞬のうちに変わってしまったそれを見た真希は[やっぱりそういう顔になりますよね]と苦笑いして言ったそしてこうも思った医者も人の子よねそれ以上訊けないんでしょうとそれから少し間が取られ第一声があぁそうなんですかそれじゃあ失礼しますとまるで取って付けた急用を思い出した様な言い方で黒甕は慌てる様に病室を去ってしまった案の定真希の思惑通り黒甕はそれ以上訊かないままだったしかし黒甕にとってそんな話はもう慣れっこになってしまったもちろんあえて訊かなかったと言った方が正しいのかもしれないそれよりも真希の娘である人物を探さなければならないと黒甕は思っていた-2007年3月18日-<関池家>夕方3時になり成保珂は1人夕食を作っていると突然玄関の方から[ただいま]と言う女性の声がしたきっと末娘の真白が家に帰って来たのだろうと思っていると[ただいまお母さん]と背後から再度声が聴こえ少しゆっくりめに振り向き[お帰りなさい外は寒かったでしょう今温かい飲み物を作るわね]と言い慌てて冷やして置いた清涼飲料水をマグカップに移し態々レンジに入れ10分早くセットしたその間真白は自分の部屋で着替えをし再び戻って来るその表情は少し暗い様にも見えるが普通にも思えた椅子に座るや否や[ねぇお母さん私花に例えるとなんだろう]と訊ねられ成保珂は少し考えている様な素振りを見せうっすらはにかんだ笑顔で[真白それはお母さんが言う事ではないわ好きな人に訊く事よ]と答えたしかし真白的には腑に落ちない答えだった多分真白の言い分は[その好きな人が例えてくれないから困っているのに]と訴えていたに違いないもし私がそこに居たのであればきっと誰一人知らない悩みだったかも知れない事だけは明らかである[はいどうぞ熱いからね]と言いマグカップを真白の前に置いた[頂きます]と言って熱いマグカップの清涼飲料水を恐る恐る口に運んだがその後は何の抵抗も無く普通に飲み干し[御馳走様でした]と言い流しの中でカップを洗ったそれでもまださっきの事が頭から離れられず思い付く花を想像して見たが解らなかったし気が付けば自分の部屋に戻っていた<着信音>[はいもしもし関池です]と送話口で言うと[もしもし真白俺だけど]と受話口で言う声を聴いた真白は不意に[ただいま出掛けております発信音の後にお名前ご用件をお申し下さい]と送話口で言って携帯を切らず開いたまま机に置いた電話越しの声は本当に反省しているような雰囲気だと解ったが肝心の真白は背中で壁に寄りかかり恋愛小説を読んでいたなぜ電話越しの相手がこんなに謝っているのかと言うと真白が提出するはずだった課題を提出期限1日後に持って来てしまったのだまだ1日後だったのでこっぴどく怒られる事はなかったが真白は口には出さないけれど酷く苛立ちながら怒っていた<誰かが真向かいの部屋のドアをノックし開けた音がした>その音を聴いた真白はベッドから降りドアを顔が入るくらい開け後ろ姿を見ると成保珂だった[真陽琉さん宛てに何か届いたの?]と声を掛けると真後ろの部屋のドアに顔を出している真白を見て[えぇ原稿らしいわ]と言うと素っ気なく[ふーん]と言いドアを閉めたが真陽琉に届いた原稿がどんな内容なのか沸々と気になっていた真陽琉が帰って来るのはあと50分ぐらいもし残業があればそれ以上かかる真白は真陽琉が残業になる事を祈りながら成保珂が真陽琉の部屋を後にするのを待って忍び込んでしまった違法だが後からバレないよう封筒を開けて原稿を取り出した題名は書かれていないけれど久坂智琉という名前が書かれていたパラパラと用紙を捲るとぎっしり活字が並べられている時より読めそうにない漢字が多く一苦労しそうと思いつつも途中の所から読み進めてしまっていたすると[ただいま]の声で真白は慌てて原稿を片付け始めただが上手く入らずかなり焦っていると真陽琉が自分の部屋に入って来た途端に気まずそうな表情をしながら机上にある原稿を背にし真白は[おかえりなさい早かったんだね]と言った[えっかなり遅いわよ2時間くらい]と私が言うと真白は直ぐ様左腕に付けた腕時計を見た確かに時計の針は夜7:00を回っていた[それよりごめんね勝手に部屋に入ってここ暖かそうだったから]と咄嗟に付いた厭らしい言い訳を真陽琉はそのまま受け流して[後ろにある物はなに?]と訊ねた真白は肩を上げ目を丸くして[いや…その…]と応えどうする事も出来ないはずなのにまだ真白は隠し続けているのを見て[私法律の事は詳しくないけどそれは絶対良くない気がする]と言うと真白は何も言わずに自分の部屋に戻って行き真陽琉はこれ以上真白を問い詰める事はせず机上にある原稿を封筒に入れた封筒にはきちんと親展と書いてあった久々に家族や身内が帰ってくると毎日の光景が見違えるはずなのだがやっぱりこの家は何にも変わらない[お母さんお盆頂戴]とこの空気に耐えかねた真白が言うと成保珂は食器棚から真白と書かれたお盆を出し渡すと食器をお盆に乗せ席を外そうとすると父親である貴憲が[真白どこに行くんだ]と真白を引き止めた真白は[部屋に持って行くここに居ると無性に嫌なんだもん]と言い23歩歩いた瞬間貴憲は[じゃあ今すぐ出て行けもうこの家に戻って来なくても良いから]と言ってしまった恐らく貴憲は本音でそんな事言った訳じゃない気がするのだが真白はそんな風に受け止められず[お母さんどっか行こうそれと真陽琉さんも]と言って出て行ってしまった成保珂は真陽琉を見て真陽琉は成保珂を見たそして2人して小さくため息が出てしまいどうしょうかと少しの間考えてもみたが仕方がなく2人は真白を選び貴憲は何も言わずグラスにお酒をついでいた-2007年3月18日-<office>一人黙々とノートパソコンと睨めっこし続ける簾梛机の周りには今日も大学出身の先輩達から押し付けられた仕事をあれこれと考えながらこなしつつも自らの仕事も忘れずにこなしているしかし最近簾梛の様子がぎこちないように見えていたそれに気づいたのは約1週間前簾梛に校正を教えその途中で気不味い雰囲気になってしまった男性だった彼の名前は加藤凜人編集長補佐としてこの会社に入社してきた高等学校出身である[お忙しい所すみません中安さんちょっと良いですか]と声をかけた簾梛はすぐに加藤の方にむき直し[はい]と聴く態勢に戻した簾梛の良い所は誰に対しても笑顔と聴く態勢と気遣いをする所であるしかしその点に関して誰も褒めようしないのがこの会社の欠点かもしれないと入社当初から加藤はそう思った[最近どうしたんですかなんとなく様子が可笑しい気がするんですが]と訊くと簾梛は少し間をおいてから[あっ大丈夫です体調が悪いとかじゃないんでただ…]と言いかけて[本当にお気遣いなく]と笑いかけた[そうですかなら良いです]と言って加藤は自分の席に着いたこの時簾梛はある悩みを抱えていたのだ[最近いや違うずっと前から自分…満足出来る仕事している実感がない気がする]とでもそんな事誰かに訊いたって誰も相手にしないと密かに確信し加藤の方は心の底から簾梛を心配していた就業時間が過ぎ簾梛はまだ仕事が残っており周りはそんな簾梛に気にも留めず次々と帰り支度をしている中で加藤は仕事が残っているふりをして簾梛が終わるのを待っていた夜の7:30を回りやっと簾梛が帰る準備を始め加藤が態と大袈裟な声と同時に背伸びをした簾梛はそれに吃驚した表情をし加藤の方に振り向いて[加藤さんって意外と隠し事下手なんですねだってもうすでに仕事終わっていた事密かに知っていましたよ]と言うと加藤は[えっ]という表情をし残念そうな声で[そう…]と言い苦笑いを簾梛に見せた簾梛もそれなりの苦笑いをし[じゃあ失礼します]と言いドアの方に向かった加藤はそれ以上の事は何も言い出せなくなり机上に両肘を付き顔を覆いながら[なにやっているんだよ俺]と呟き吹っ切るように足早にドアの方に向かった-2007年3月19日-この日も簾梛は浮かない表情をしながら押し付けられた仕事をこなしていた今日はひっきりなしに電話も入ってしまいかなり忙しい様子だと加藤は簾梛を見て思ったがその日に限って自分も忙しいスケジュールが待っていてとてもじゃないけど人助けなんて出来る余裕が無いという現実にため息が出たもう間もなくそのスケジュールの1発目の時間が来てしまう準備しなきゃ間に合わないと思い慌てて身嗜みを整え編集長と出掛けた簾梛は懸命に押し付けられた物の半分を午前中に終わらせようと考えていた午後からは又と無いチャンスが次々と舞い込むからであるここでしくじれば本当に追い出される可能性大だと思っていたしかし今日は体調が悪い大丈夫だとは思うが今日全ての仕事がつつがなく終わらせられるだろうかと一瞬不安になったがやろうと決意したお昼12:00やっと半分以上が終わりトートバックの中から数種類のSOJOを見つめその中の1本を選び食べたその後は20分眠り次の仕事の準備をしたしかしまさか未熟な自分にこの仕事が舞い込むとは思いも寄らなかった簾梛の胸は高鳴って嬉しさや恥ずかしさが入り混じっていたでもそこは社会人きちんと分別を付けなければと思い何度も深呼吸し待ち合わせの部屋に入った[失礼致します]と言ってドアの前で敬礼をし椅子の右で最敬礼をして[はじめまして中安簾梛と申します本日は宜しくお願い致します]と言い早速名刺を渡してしまったそれでも相手は気にも留めず[こちらの方こそ宜しくお願いしますファクターの西村雅紀です]と言って名刺を渡したやっぱり厳しい事務所の事はあるきちんと連絡先は会社宛になっているし裏は書き込みが出来ないようになっている[うわぁ本当に会えるとは思わなかった]とちょっと興奮気味に先に言い出したのは西村だった[私もびっくりですまさか西村さんにお会い出来るなんて]と言うと西村は[えー本当ですか]とはにかんだ笑顔を見せ席に着いた簾梛も席に着いて[では始めさせてもらいます]と簾梛が言うと西村は軽く会釈した簾梛のメモには[今年デビュー20周年を迎えるファクターリーダーの東灘功補を筆頭に村瀬和弥 藥旛誓磨 西村雅紀 嵩醐あたるの5人で活動開始し現在ではソロ活動を精力的に始め出している今回は西村雅紀さん]と書いてあったそれを見て[君インタビュー初めてもう少し工夫した方が良いよそれだとありきたりだと俺は思うんだけど]と西村に言われて簾梛は返す言葉を失ってしまった[やはり私は編集者に向いていないんだ]としかしここに居るのは簾梛1人であるかなり度素人の編集者だと思われていても表舞台に出てしまったらプロ同然引き返しなんてしたらもう帰れるはずもないと思い直し話を始めたそして予定より20分も多く話をしてしまいマネージャーさんからは静かなサインで切り上げを求められ簾梛は切りの良い所を見つけ[本日はありがとうございました]と簾梛が言うと[あっそっかもう終わりの時間だったんだね今日は楽しかったよありがとう]と言い西村は急いでコートを羽織り簾梛に[カメラある]と訊いた簾梛は不安そうに[えぇ]と言い鞄からカメラを取り出すと西村はすっと奪い取りマネージャーさんに渡しカメラで喋っている所とワンショット写真を撮らせてそそくさと帰ってしまったマネージャーさんはなにも言わず簾梛にカメラを渡し西村を追って行ってしまった次のインタビューまであと15分しかない地下鉄に乗れば5分で行けるでも余裕綽々とも行かないので急いで紅茶を啜り地下鉄ホームに向かい切符はすでに買ってあったため手間が省けた次のインタビューは無名モバイル作家久坂智琉である久坂からの電話は突然だった通常の人々だったら全く相手にはされないのだが簾梛は承諾してしまった無名だからと言ってその才能を省くよりもその才能を確かめて後から省くのも1つの考え方だと簾梛はそう思っている全く同じ才能だとしてもどこか違う点を見付けられたら印象が良かった才能を取り入れてみる方が少しは良いでもその逆もあったりするそこを見極めるのがプロなのかもしれないしかしそのやり方は今回だけにしょうと簾梛は密かに反省したもう少し経験を積まなければこの方法は上手に活用出来ないそう学んだのだそして待ち合わせ場所に着き簾梛は店内をあちこち見渡して久坂を見付け出し前に座った久坂は座ったまま[はじめまして久坂智琉です]と落ち着いた口調で名乗り頭を下げすぐに上げてから[お腹空いていませんか?ご馳走しますけど]と言われ[ごめんなさいさっき食べて来たのでお気持ちだけで]と言うと[そうですか残念だなぁ]と一言呟いた後順序違いで[今回お時間を作って頂きありがとうございます突然の電話でお困りだったと思いますが]と言われ簾梛は[えぇまぁ]と言う答えしか出なかったそしてある事に気が付いた久坂の声がどこか可笑しいのだ外見はどこからどう見ても男性なのだが声は女声から作られた男声に聞こえるしかし全く下手ではない寧ろ凄く聞き易い音域を持っているのは確かだと簾梛はそう思っているのだけれどどこか可笑しいと思い[突然で申し訳ないんですが久坂さん質問しても良いですか?]と訊ねると[良いですよ訊いて下さい]と言われ思い切って[久坂さん貴女は女性なのですか?]と久坂は驚いた表情をしてしばらく沈黙が続いた後[貴女は凄いですね普通はそのまま受け流されるんですよ外見は完璧かもしれませんが声と素顔はごまかし効かないあの歌劇団を見て学びましたどんなに完璧に男声練習をしたってそして完璧に外見を作ったって解る人にはすぐに見破られてしまうそれでも私は常に男装をし男性の名前で活動をする事に決めましたそんなに深い意味も無くですけど]と久坂は苦笑いをしながら言ったまま再び沈黙が続いた彼女いや彼の頭の中でたぶん[やっぱりこんな事しなければ良かったのかも]と後悔しているんだろうと簾梛は思っていたがそれも致し仕方が無い事かもしれないと思うようにしたどれぐらい沈黙は続いたのだろうなんとなくすぐに沈黙は無くなった気がするでも長かった気もするはっきり解らないけれど久坂は重たいノートパソコンを取り出し電源を入れて立ち上げからwordを開いたファイルには沢山のタイトルが埋め尽くされていた[どれか読んでみたい物有りますか]と久坂に訊ねられ簾梛はドキッとしてしまったあまりにも突然声をかけてきたと言うより集中していないつもりが集中してしまっていたのだちょっと意味不明な事を言ってしまったが現にそうなってしまい赤面していた[僕のおすすめは…あった[僕の彼女は遠くに居る]なんですけど]と言いマウスで操られているマウスポイントがそのタイトルを差していた[どんなあらすじなんですか?]と簾梛が訊くと[結婚サイトで出会った男女なんですけど遠距離な為お互いに付き合っている実感が沸かないという考えで作りました]と久坂が答えた簾梛は呆れた溜め息を付き斜めに視線を外して再びノートパソコンに目を向けた[ごめんなさいもっと他の作家が思い付かない様な作品って無いんですか?]と言うとファイル内をスクロールし[これなんてどうです?]と再びマウスで操られているマウスポイントがそのタイトルを指していた[[親になって]かぁこれはどんなあらすじなんですか?]と訊かれ[この作品に関してはまだ未完成なんですあらすじも決まっていませんでも決定しているワードとしては発達障害者と里親それからデリヘルこの内容で作れたら良いなと思っている所です]と久坂が言うと[それってそっくりそのまま発達障害のデリヘルが里親になるという話になってしまう可能性もあるって言う事ですよね?]と恐る恐る簾梛に問われ[それは…まだ完成してみないと解りませんから]と言うと[解りましたこの後インタビューという流れでやりたかったのですが残