SARCOFAGO / I.N.R.I. NUCLEAR WAR NOW!バージョン | Hard “metal” Core Side

Hard “metal” Core Side

福岡県在住の美容師が好き勝手に執筆する
80年代を中心とするハードコアパンクや主にマイナーなスラッシュメタルや
90年代以降でも80年代の要素を取り入れている音源のレビュー形式日記です。





ブラジリアンデスラッシュレジェンドSARCOFAGOです。


SARCOFAGOは80年代中期~90年代後期頃までブラジルのベロホリゾンテ出身のデスラッシュバンドでこのバンドの存在の影響力はダイハードスラッシャーの方にはご存知の通り、90年代以降のヘヴィメタルのサブジャンル“ブラックメタル”の形成に一役買っているのは最近ではハードコアマニアックスにも認知されてきつつありますが、特にここ数年ではブラックメタルの更に分派したジャンルの“ウォー・ベスチャルブラックメタル”のバンド達への影響力は計り知れない存在です。

本バンドの1stアルバム「I.N.R.I.」。
オリジナルは87年にブラジルのデス/スラッシュメタルの最高峰レーベル「COGUMELO records」から発表されており、LP盤はもちろんですが特にオリジナルの赤盤、黄盤CDは超激レアで有名なんですが筆者が所有しているのは2004年にカルフォルニア州のブラックメタル系にはめっぽう強いレーベルNUCLEAR WAR NOW ! productionsから再発されたモノの中でもレギュラーバージョンタイプです。



※お馴染みのバンドフォトや別角度バージョン、貴重なライブ写真等も掲載








近年ではパンクとメタルの接点もオープンになっていたり、色んな形で異種交配していく現状もある中そんな歴史を遡っていくとSARCOFAGOもそんなバンドの一つなんてことも思うんですど、それはドラマーのDD CRAZY氏のDISCHARGEのTシャツにトロージャンヘアにも表れていたりフィンランドハードコアパンクTERVEET KADETのカヴァーをやっているスタンスは間違いなくハードコアパンクにも触発されていることはこの辺りにも表れていますが 後に90年代以降ブラックメタル系ファッションの雛型を築き上げ確立させたことも有名で、基本ベースは坊っちゃん刈りの頃のTOM  ANGEL RIPPER氏がいた初期SODOMや初期DESTRUCTIONのようなレザーに身を包みガンベルト襷掛けにそこから更にやり過ぎともいえる五寸釘リストバンドや五寸釘フットプロテクターと共に死人をイメージしたとされるコープスペイント等80年代初期のUKハードコアパンクファッションと引けを取らない過激さがあります。

音もとにかく無茶苦茶でANTI CHRIS氏のデス声やたまにハイトーンで歌う気がふれたような不安定なヴォーカルとDD CRAZY氏のブラストを中心とした激速ビートのドラムの中に南米特有である汚ならしい音色やミックスは当時の国の治安の不安定さによる環境はより邪悪にEVILな方向性に導いたことと先程のハードコアパンクからへの影響もとんでもない化学反応を起こし、それがこのバンドの音になって表れていると感じます。

とにかくパンクやメタルを超越した危なっかしい音を求めている方は是非どうぞ

※こちらはパブリブ社から発行された「ウォーベスチャルブラックメタルガイドブック」に掲載されていたSARCOFAGOを紹介している記事の一部。ヴォーカルANTI CHRIST氏(本名WAGNER LAMOUNIER)はダイハードスラッシャーの方ならご存知の通りSARCOFAGOの前はSEPULTUREに在籍していて記事にもある通り現在は大学の教授である。

やはりなんでも極端な人は良くも悪くもその降り幅は広い。