唐突ですが、筆者は80年代のスラッシュメタルは とりわけベルリンの壁が崩壊する以前の頃に発表された当時西ドイツのモノが最高に格好いいって今でも思ってますしダントツに大好きです。
勿論他の国のバンドもそこそこ聴いてきてますが、カナダ、ブラジル、アメリカでもベイエリア意外の地域のものも通過していても結局はこの地のスラッシュに回帰してしまっている自分がいる訳ですが
今回紹介は80年代ジャーマンスラッシュメタルの中でも筆者の長年フェリバリットバンドの1つに挙がるVIOLENT FORCE をご紹介。
まずは唯一のアルバム作品である「MALEVOLENT ASSAULT OF TOMORROW」 でこちらは87年大手のROADRUNNER recordsから発表されました。
こうやって並べてみたらブラジル盤の方が僅かにジャケが小さいのが今回初めて知りました。
数あるジャーマンスラッシュバンドの中でもかなりのかっこ良さを誇るスラッシュメタルでありまして、速いメタルに飢えているスラッシャーはもちろんのこと、ハードコアパンクファンの方にもぜひ聴いていただきたいスラッシュメタル作品です。
全10曲でありますが1曲目の大名曲「DEAD CITY」がいきなりのMOTORHEAD直系ロッキンスラッシュナンバーがカッコ良すぎる!と思っていたら2曲目「SOULBURSTING」以降がゴリゴリ、ドカドカに駆け抜け、さらにジギジギに刻むスラッシュナンバーのオンパレードで大変素晴らしい。
けたたましく吠えるヴォーカルはハードコアパンクに匹敵するバーバリアン的で、速さもとりわけ北欧あたりのハードコア並みのスピードとアグレッシブさも兼ね備え駆け抜けていきながらも特に6曲目「SIGN OF THE EVIL」はバンドのこの作品の中でもハイライトともいえるナンバーでして、激しくスパークしまくる中でも叙情的なギターソロも挿入したドラマチックな顔を見せる懐の深さもこのバンドの持ち味といえます。
特筆すべきは実は意外とベースラインがカッコよく画像のこの方、ベース担当のWALDY氏の(恐らく)天然アフロパーマに口ヒゲを蓄えたルックスが何故かROCKなシンパシーを感じさせてくれます。
一般的なメタル系メンバーって長髪の割合が非常に高めにもかかわらず、このルックスでメタルをやってるってだけでポイントが高いと思うんですよ。
ですのでもう15年以上になりますか?私はこの作品に初めて出会った時からすっかり虜になってしまい、以来完全永久忠誠バンドTHE EXECUTEの全作品同様未だに聴き続けている作品の一つです。
しかし実のところ本題はこちらでして少し前にこの作品CDで再発になりました。
このバンドの再発モノでは先のブラジル盤を皮切りに2007年にはポーランドのメタルレーベル「METAL MIND productions」で初オフィシャルCD化、それから10年を経て待望のアナログ盤、CD盤をドイツのメタル名門レーベル「HIGH ROLLER records」からもオフィシャル再発される程スラッシャーにとっても大変人気の高い作品であることがおわかりいただけると思います。
が今回の再発盤はコレクターズ盤、早くいえばブートの類いになりますが、そんじょそこいらのブートとはちょっと試みが違ってましてコチラ先のアルバム10曲は勿論、なんと2nd アルバム用に録音されたにもかかわらずお蔵入りとなってしまったデモ音源8曲がボーナスに収録されています。
この音源の存在ってスラッシャーの方々には知られているもんなんですかね?
基本筆者はブートってよっぽどのモノじゃないと買うことってほとんど無いんですが、大好きなVIOLENT FORCE の未発表音源ときいてしまったらいてもたってもいられなくなりついつい購入してしまいました。
このCDの作りにおいて筆者の見解では一般的によくあるブートの類の作りかなって思いますが、内ジャケは画像のように1stアルバムの歌詞のみの掲載で肝心の2ndアルバム用のデモ音源の情報(例えばいつ頃に録音されたとか)に関しては一切無し。
もっと言ってしまうとボーナストラックはホントに2ndアルバム用に録音されたのか?とこの音源自体の存在自体を疑ってしまうくらいで聴く直前までは不安な気持ちも正直あったくらいでしたが、
聴いてみたらコレがまた期待を裏切らないカッコ良さでアクションは起こさないまでも心の中ではガッツポーズものでした!
このバンドの基本になっているSODOM系スラッシュメタルのラインはそのままなんですが、MOTORHEADな爆裂感は後退して どらかといえばスラッシュメタル以前のスピードメタル的な作りになっているんですが、曲の進行も多少複雑になっているのでこの辺は速いスラッシュラインを信条としていた1stアルバムの頃に比べるとやはり進化をしていると思います。
音質はデモなので録音状態はあまり良くありませんが、ハードコアパンク好きな筆者にとってはあまり気になる要素ではありません。
ドラム担当はATOMIC STEIF氏なのか!?
やたらとここの音源でのドラムの手数が多いし存在感があるのでこの音源でのATOMIC STEIF 氏の起用は正解だと思います。
ATOMIC STEIF氏といえばSODOM やLIVING DEATH など西ドイツを代表するスラッシュバンドを渡り歩いたドラマーであることはスラッシャーにはお馴染みの存在ですからこの方が参加している音源は安心して聴けますね。
改めて1stアルバムも含めて聴いてみたらくどいようですが、やはりスラッシャーにとっては一度は通っておいた方がいいバンドだし、ハードコアパンクマニアックスにも充分アピールできる所も多いと思うので未聴の方はぜひ。