そこに… | 葵 蒼空 小説家… 小説 メッセージ~信じるだけ~

そこに…

ゴホッ…


ゴホッ…ゴホッ…


つんざくような激しい咳が止まらない…


動かない身体を…


必死に携帯を弄る


「どう?最近は?」


「なんだろう…元気なんかなあ…」


「ずっと笑ってたよな…」


「真夜中のメール…」


「いまいい?」


「返す間もなく携帯のコールが鳴る」


「どうした?」


「いまテレビつけて!」


「うん…?何時?」


「いいから!」


「リモコンを探しながら時計に触ると時間は2時…」


「こんな時間に起きてたの?」


「うん…何か、寝れなくて…」


「そっか…」


わかっていた…遠距離から始まって一人暮しをするおまえが一番寂しかった事は…

だから…どんな時間でもずっと笑っていられるように…


そう想って…過ごした二人の日々は4年…

「ごめん…ごめんね…」


「ずっと…寂しい思いをさせた…」


咳き込む…


痰が強く絡む…


息が脆弱だが確かに生きている…


「俺はいつもお前を苦しめてたな…」


「好きだけでは難しい事もやっていけないこともわかっていても俺はやっぱり…おまえが好きだ…」


ベッドの上から伝う涙は枕を濡らし…

また会いたい

笑顔がみたい

誰よりも傍にいて

誰よりも…


誰よりもそこにいたいだけなのに…


会えなくなって3年が過ぎた…


いまの時代ならこれもストーカー

でも忘れられる恋も惨め

想うこと…

先ずは

それが人を好きになるスタートLINE


それを教えてくれたのがあなただった


だから

あきらめない

あきらめちゃダメなんだ

7年を

二人の時を無駄にしないためにも


ただ二人が一番笑顔だった日を取り戻したいだけなのだから…

ただ笑顔でいれた時間を…


メールアドレスは変わっている…


変えられたことは聴いていた


彼女の親が連絡を取れないように無理矢理情報を消して携帯を替えた

それは彼女の友達から聴いた…

そう…

それが彼女の意思なら良かったのに…

彼女は僕が連絡を取っていると知っている友達に一番最初に替わった番号とアドレスを教えていた

そこに…


そこに…彼女の意志が感じる…


でも…

今は彼女に送れないメール…

それが毎日募るだけの携帯の容量はもう限界…

身体を蝕むのか容量が尽きるのかどちらが先だろう…


何度も…


何度も…


生きてて一番楽しい!

そう深夜に話した君の声が消えないよ…