県立地球防衛軍は今から30年程前に、週刊少年サンデー増刊号に連載された。

当時のサンデー看板マンガと云えば



タッチ




うる星やつら

と大ヒットマンガが連載されていた。復刊の帯にロゴをまんま使用してしまう辺りが、既にこのマンガの立ち位置を表していると思う。

増刊サンデーと云う連載の場も自由が利いたのだろう、作風は非常にパロディ色が強く、特に東宝、円谷特撮のパロディが多い。

下ネタも全開なのだが、あまり下品さを感じさせないのも特徴で、コレは作者安永航一郎のセンスの賜物だろう。


こんな知る人ぞ知る作品でも、ビデオアニメ化されてるのが一番のビックリポイントであろうか(笑)




残念ながらセールスの方は振るわなかったみたいですけど。ちなみに音楽を故)羽田健太郎、主題歌、挿入歌を故)忌野清志郎がやっていると云う、無駄に豪華な布陣(笑)まあ、忌野清志郎のアナーキー振りは県立地球防衛軍にピッタリだとは思いますが(笑)


◇さて、作品について少々。基本は電柱組率いる改良人間と防衛軍の対立の構図なんですが、物語後半は対立軸自体が希薄になってしまいます。防衛軍、電柱組は記号みたいなモノで、ボケとツッコミの関係に近いですかね?あまりシリアスさは在りません。なんというか部活の紅白戦みたいな感じでしょうか。実に緊張感が無いんですよね~(笑)

とりあえずさっくりと人物紹介。







盛田弘章

防衛軍の中心的存在。今津留高校野球部に在籍中に、県立高校生徒が県民を守るのは当然との校長の屁理屈により、防衛軍入り。先天性の口車により、相手を言いくるめる能力の持ち主。性格は極めていい加減で、細かい事は気にならない模様。主人公の筈だが影が薄く、連載時の柱の紹介に「名ばかりの主人公」とまで書かれる始末。






武井助久保

防衛軍のサブリーダー?的存在。野球部では盛田とバッテリーを組む。がたいが良く、私生活に於いては盛田と同じアパートでルームシェアをしいる。体格と四角顔からついた徒名は通称「ぬりかべ」

 






伊福部あき子

防衛軍の紅一点。名前の由来は東宝特撮でお馴染み伊福部昭のもじり。可愛い顔とは似つかわしくない筋肉好きで、マッチョな男に弱い。








炉縁俊幸

今津留高校の数学教師。野球部顧問であった為、横滑りで防衛軍顧問(隊長?)を拝命する。問題児ばかりの隊員に手を焼く悲運の人28歳、独身。








カーミ=サンチン

インドからの国費留学生。交通事故に遭い重傷を負った所を担ぎ込まれた狭間医大にて、本人の意志とは無関係にサイボーグ改造手術を施され、サイボーグとなる。狭間医大を逃げ出した後、行き倒れた所を炉縁に拾われ居候となる。八千馬力と肩にビルトインされたミサイルポッドが特徴。将来はインドに帰りバラモン僧になる為の勉学に励む真面目な性格だが、シリアスになると知恵熱によりショートする。


電柱組









原滝龍子

本作品の事実上の主人公(笑)電柱組で世界征服のアルバイトをしながら、今津留高校に通う苦学生。両親は羽田で照明弾食って死んだとは本人の弁。アルバイトの立場にあるにもかかわらず、電柱組の幹部待遇で迎えられている。電柱組ではバラダギと名乗り階級は大佐。高校生活に於いては教師も一目置く才媛で、炉縁に頼まれ下級生でありながらも盛田、助久保の家庭教師を頼まれる程。作中ではヒロインながらかなりぞんざいに扱われており、不幸な結末を迎える事も多い。








チルソニア将軍

電柱組を率いる悪の最高幹部。本名は木曽屋=チルソニアン=文左衛門。江戸時代から続く老舗の材木商、木曽屋の若旦那であり、電柱組の破壊活動による建て替え需要での材木高騰を目論む。世界征服を宣言した割には悪事は小粒で地味。ひねくれた性格で、物事をなんでもねじ曲げて解釈する困った人物。






下っぱ

まあ、所謂戦闘員。黒地に白抜きの旧タイプと白地に黒文字の新タイプ、2バージョンが存在する。写真は新タイプ。












改良人間

上からマーカライト、スコープ鶴崎、食通タイガードラゴン、コレに正月仮面が加わる。あくまでも改良で改造では無い所がポイント。


こんなもんかな、しかし、改良人間はともかくとして、まっするやグリコが一般人(しかもちょっと間違った方向に正義感が強いだけの人)なのが凄いよな。自然発生的に生まれた変態(笑)特にまっする日本はこの作品世界でも最強の迷惑キャラ。こんなんが日常的に居る世界ってイヤだよな~。




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