訃報が飛び込んできた。

 

 「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」などで世界的に知られる漫画家の鳥山明(とりやま・あきら)さんが1日、急性硬膜下血腫のため死去した。68歳だった。愛知県出身。葬儀は近親者で済ませた。

 1978年に漫画家デビューし、80年から週刊少年ジャンプで「Dr.スランプ」の連載をスタート。かわいい見た目とは裏腹に怪力を持つ主人公「アラレちゃん」のキャラクターと笑いを誘うストーリーで人気を集め、テレビアニメ化もされた。81年には小学館漫画賞を受賞した。

(時事通信社配信より)

 

 

 私は少年時代、マンガ本というものを買った事が無く、読むことも殆どなかった。ただ、決してマンガが嫌いなわけではなく、鉄腕アトムや鉄人28号、スーパージェッター、エイトマンなど、黎明期のTVマンガを、白黒画面のTVに噛り付いて、心躍らせながら視聴したものだ。

 そして'80年代後半。「Dr.スランプ」の放映がはじまるとすぐに虜になり、単行本も購入をはじめた。そして勿論「ドラゴンボール」も全巻揃えた。鳥山明さんの作品は読むほどにワクワクが伝わり、読むことに加えて所有する事も、単行本の楽しみだった。

 

 だが、'90年代半ば、転勤に際して家財を減らす必要が生じ、一部の家具や、所有する単行本すべてを泣く泣く「買い取り店」で処分した。「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」をはじめ、高橋留美子さん、池上遼一さんの作品は殆ど揃えていたし、「ツルモク独身寮」や、現代版でも人気が高い「SLAM DUNK」も全巻(当然初版)その他諸々を…、である。

 しかも間の悪い事に、人気の高い「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」は「誰でも持っているから」と、買取ではなく無償で処分をお願いするという始末だった。

 

 あれから約30年。

 

 速報が流れると、5,000円ほどで出品された「Dr.スランプ」全巻セットが、みるみる10,000円を超えた。ヤバイ!これだけは持っておかなければならない… 私は15kmほど離れたBOOK OFFまで愛車を走らせ、全18巻を購入するとトンボ返りで家に戻ってきた。

 

 しばし「不適切…」な世の中を脱し、仄々としたペンギン村に身を置いてみたい。

 

 鳥山明氏のご冥福を祈ります。