生まれは地図にのったりのらなかったりする田舎

村一番の権力者の本家の息子や


家族構成はややこしい。

本家に男子がおらんで隣村から婿をとったが、娘は子を産んだ後亡くなる。

婿が本家を継ぐので嫁を取るも、子を産んだ後亡くなるが続き、とある男が産まれた。


田舎やからな、医療発達が無ければこんな簡単に出産で女は死んでまうんやで。


婿はお人好しが過ぎ、保証人になりすぎ田舎を捨て逃げなければならなくなった。この時男はまだ小学生。

本土へ向かう船から泣きながら必ず帰ってきてやる。と悔しくてたまらんくて誓ったらしいわ。

本土に着いたら未成年の男とその姉弟以外は自分の意思で北海道へと別れくらした。絶縁てやつ。


男は働ける歳になりある会社へ入社。

営業として男芸者と言われまたたくまにトップの座にまで成績を上げた。

そこで足引っ張るは婿であった父のお人好し。また保証人になり2億程の借金にまみれヤーさんらに詰め寄られる日々。

男は土下座をし、必ず自分が支払いきるから待ってほしいと話しをつける事ができた。


太平洋戦争開始となり男の会社は軍事産業に変わらざるを得なくなり、兵器工場の工場長となった。

戦地に行った弟を亡くしてしまうが、工場長の立場がゆえの後へ繋がる人脈を得る。


終戦後は新たな戦争、労働組合の闘争が激化する。

男は雇われ社長をし、労働組合潰しやそのための会社潰しのプロとして働く。

また、この関係で後へ繋がる人脈を得る。


ちなみに結婚し子ももうけた。

嫁は、出世に繋がるよう人脈から紹介されたとある政治家家系の地方議員の娘。


ある会社で専務となるが、野望のため営業活動はやめぬ。頃合いを見て、全ての顧客を己の物とできた時に独立。自社を立ち上げる。

自社初めての出勤の朝、自社扉の前で前会社夫婦が首吊り自殺をしていた。


その後も男は会社を大きくし続け、外に子も作っていく。自社ビルが出来た年に外に子が産まれ、縁起が良いとその子に様々な教育を施す事となる。他の子は本妻も含め全て女任せだったのに。


男はゴルフが大好きで90歳の誕生日前にゴルフ先で咳が出た事から、まだまだ生きたい為すぐ病院へ行き癌が見つかり、やはりまだ生きたいから治療をするがこの歳では老衰が先か癌進行がどうかな細胞。

治療はじめた途端にみるみる細胞活性化の為か何かわからぬが二週間でお亡くなり。


この入院二週間が医者、看護師達が一時も数人離れる事が出来ぬほど地獄。

男の子供達と外の女達や本妻が白紙や己に都合の良い遺言書への印を迫る。

もう食べる力も無く、話す力も無い男を掴み身体を揺さぶり迫る。

周りが止めてもやまぬ。


二週間前はふくよかでカーネルサンダースによく似た顔が死に顔はミイラとムンクの叫びを足して割ったような顔をしていた。


一代で財を成すには綺麗事だけでは難しいんやな。

一代目の苦労に感謝して資産管理せなあかんな。

生きたい生きたい欲は逆に命縮めるな。

ある意味我が子らに最後殺されたようなもんや自分の生きた証を。


この男なmamirincoの父や。

mamirincoは何もいらん母が財成したしな父の金一銭も使わんやったから巻き込まれずにすんだんやで。


父が父やったから今のmamirincoがあるんやで。

父の善行はmamirincoを教育して構ってくれた事や。

ありがとうやで父。酷い教育も相手によっちゃ役にたつんやな。

父とmamirincoは相性良かったんやろな。