熊蝉が(わしゃ、わしゃ、わしゃ、…………。)

今年も、生命をアピールしている朝。
天気予報では、もうすぐ雨が降りだすらしい。

昨夜は弟が、ユウイチと一升瓶と共にやって来たので、三合ほど呑んだろうか。少し、下腹部が脆いような感じ。

ゴロゴロと切なく鳴いている  それを撫でながら  
日課の空の色の確認をした。

北の空は穏やかな夏空がまぶしくて  君が生きている南の空には、獣のような雲が幾つも重なっていて俺を目掛けて加速している。

玄関のドアを開けて、敷きっぱなしの布団に身体を横たえると、ゴロゴロと  また腹がグズついた。

昨夜の奴等ときたら肉ばかりを肴にして呑みやがる。

俺は、ガツガツと喰う奴等に圧倒されて、俺の為に購入したやつを、一切の躊躇も無く差し出した。

馬鹿げた過去の思い出や、馬鹿げた現在の日常に笑い転げながら  塩味のアラレで呑む酒は、やはり馬鹿げた匂いがしたけれど楽しい一時だった。

禁煙している  俺の為に奴等柄にも無く気を使い、一本もタバコを吸わずに付き合ってくれて、どうにか挫折せずに今をむかえている。

ゴロゴロ。ゴロゴロ。

今度はカーテンの向こうから  聴こえてきた。

黒い獣が到着したらしい。