本日は初めて早く仕事を終えた。

いつもの如く 夏空の青を確認する。

遠く東の果てに生まれたての入道雲と頭上には鱗雲。アンバランスな風景である。今年の夏は 大好きな夏の映像を脳裏に焼き付ける事もままならず伸ばした両腕からすり抜けていきそうだ。

死の宣告を受けても尚 不眠不休のペースを止める事もなく継続している。今 言われるがままに 全身全霊を止めてしまった時 自身の人生全てを否定してしまうような気がして その信念のままに 流れているような感じ。

あとは 風任せ。

結局 なるようにしかならないなら 全力を尽くすまでだ。

今の俺はタクシードライバーというよりも狩人とか漁師という代名詞のほうが似合っているのではなかろうか。秒単位の駆け引きに痺れ捲っている。今だから記すがサービス業は絶対に無理だと決め付けていたのだが このタクシードライバーとしての毎日の楽しい事。
中毒患者になってる。

恐らく日本中で俺程この仕事をエンジョイしてる人間は居ないって位 楽しくて仕方ない。

夜中の俺の102号車は運転席に2つの赤い光が浮かび上がっているに違いない。まるで獣のように眼球を光らせ 獲物を狙っているからな。

生きる為に猟(漁)に出る。その為には 全力を出さねばならない。

そうでなければ 獲物に対して失礼だ。

全ての仕事に共通するであろう 全力を尽くして
ラリッた脳裏に映る青はとてつもなく 深い青であり 貴重なのかも知れない睡魔を吹き飛ばしてしまった。

今年の夏は永遠に続くような気がしてままならない。