チャックベリーのような顔をした初老の冒険家の自称ハックルベリー・フィンは熱い湯で満たされた浴槽とキンキンに冷えたビールが待っている場所へ歩を急がせる。大粒で激しく降っていた雨もラスト500メートルの距離を残した位で北西の彼方へ過ぎ去っていった。酸性雨と頭皮へ与える影響などを クールを装いやり過ごす。「ちょっとばかり 刺激的な影響がありそうだな…」と結論付けたものの ずぶ濡れの髪はそのままに隠れ家に辿り着いた。風呂が先かビールが先か…。などと本能丸出しの状態の中での ときめきとの出逢いだった。娘が夏休みの宿題で育てている植木鉢のアサガオの花。花びらの透き通った純粋と呼ぶに相応しい青がそこにあった。葉っぱは もう枯れかけている。見かけはアンバランスではあるが生命の流れを感じずにはいられなかった。来年も間違い無くアサガオは同じ姿…いやそれ以上の姿を見せてくれるだろう。そして そのリズムは永遠のサイクルを刻み続けていくのだろう。ビールのことも風呂のことも雨雲と共に北西の彼方へ飛んでいった。変わりに一つだけ謎が解けたのだと思う。「アナタはワタシ。ワタシはアナタ。」