昭和55年夏 街から歩いて一時間位の場所に当時の俺の隠れ家が在った。天気がいい日は朝からランドセルを牛乳倉庫の建物裏に放り投げて その大好きだった場所へ行くのが習いとなっていた。天草海上レジャーランドという名称の施設で海沿いの丘の上にホテルがあり階段を降りていくとレストランや土産売り場があってイルカショーや海底水族館もあった。メインの売りは海上ロープウェイで海を挟んで対面した丘までを定期的に運行していた。その対面した丘の中腹が俺の隠れ家。ロープウェイを使わずとも 麓からの獣道を利用すれば辿り着く事が出来た。1日の大半を探検に費やしていたので街中のあらゆる盲点を把握していた。自分の居場所を探し続けるのが第一の目的でありただそれだけの理由の為に毎日放浪していた。小学校へは理由があって行かなかった。いや、行きたくなかった。