突き抜けるように青い空の西には まるで この街に襲いかからんばかりの表情をした入道雲。 目を右側にそらせば、お天道様のパワーを全身で受け止め大地に根を張る緑色が生命をアピールしている。その空間の中に死に場所を見つけた無数の蝉たちが まるで快楽を求めるが如く終わることの無い鎮魂歌を唸り続けている。そんな昼下がりに油断してると決まっていたかのように必ず雨が降る。アスファルトに染み込んだ雨が夏の始まりを告げる匂いを辺り一面に巻き散らかす。 夏 到来 今日、病院の外に出たら突然の夏空の青に不覚にも戸惑ってしまった。 昭和55年夏。天草の本渡市(現在天草市)から俺物語のスタートを開始いや回想する事にした。