ある、日本大陸の真ん中らへんの街のボロアパートで

二人の若い男が宅飲みをしていた。

 

 

「おい、しゅん、向かいのさあ、新築のアパートに泥棒が入ったってさ」

「何か盗られたのか?」

「現金8千円が入った封筒が盗まれたらしい」

「たったの8千円か、それしか無かったのか?」

 

 

「そいつ捕まったぞ、情けねえなあ8千円盗っただけで逮捕歴がついちまった。

逮捕歴は一生消えねえのになあ、なんで泥棒なんかやるんだ、きっと生きてるのが

つまらねえんだな」

 

 

「俺も生きてるのつまらねえな!泥棒やっていいか?」

「しゅん、何てことを言うんだ。そんなことをしたら俺は泥棒の親友になっちまうじゃねえか」

 

 

「んじゃ、殺人は?」

「ばっ、馬鹿野郎、そんなことをしたら俺は殺人犯の親友になっちまうじゃねえか」

 

 

「じゃあ、しん、言わせてもらうけどな、俺は”馬鹿”の親友を10年もやってきたんだぞ」

 

 

「・・・・・・おい、しゅん、俺とお前は学歴が一緒だよな」

「ん?」

 

 

「俺が馬鹿ならお前も馬鹿だってことだぞ」

「なっ・・・・・・・・・・・・」